プレスリリース
〜25年ぶりに円借款を供与し、同国の経済成長や貧困削減を支援するために財政支援やインフラ支援を実施〜
新聞発表/2006-100
2007年3月12日
国際協力銀行(総裁:篠沢 恭助)は、9日、タンザニア連合共和国との間で、「第4次貧困削減支援借款」及び「アルーシャ-ナマンガ-アティ川間道路改良事業」を対象に合計88億5,700万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。
タンザニアは、長年に亘り債務問題を抱えており、拡大HIPCイニシアティブ [1]等累次に亘り、国際的な枠組みの下で債務削減が行われてきました。しかしながら、国際社会による債務削減などの支援、タンザニア政府による構造改革努力や堅実なマクロ経済運営、近年の開発努力、及び観光・鉱業等の新しい産業の台頭により、長期に亘る経済の低迷状況から脱し、2001年以降、平均5.8%の経済成長を維持しています。また、東アフリカ共同体(East African Community:EAC) [2]に加盟しており、ケニア及びウガンダとは、政治経済等広範な分野において地域協力の強化を促進しています。さらに、タンザニアは、1964年の独立以降一度もクーデターがなく、アフリカ諸国の中で最も政治的に安定した国とも言われています。
今次円借款は、タンザニア政府の改革努力や堅実な経済運営などを踏まえ、同政府による持続的な成長と貧困削減に向けた取り組みの更なる促進に貢献することを目的として、25年ぶりに供与されるものです。また、本年は、2005年7月のグレンイーグルスサミットにおいて、日本政府が表明したアフリカ向け支援額の倍増にかかる国際公約のターゲットイヤーであるため、当行は、本公約の達成に貢献するため、引き続きアフリカ向け支援に積極的に取り組んで行く方針です。
今次円借款の主な特徴は以下のとおりです。
(1) 政府財政への資金供与を通じたタンザニアの貧困削減政策を支援
タンザニア政府は、2005年に「成長と貧困削減のための国家戦略(スワヒリ語でMKUKUTAという。)」を策定し、貧困を取り巻く幅広い課題に速やかに対応するための政策をオーナーシップを持って打ち出しています。「第4次貧困削減支援借款」は、タンザニア政府の一般会計予算に取り込まれ、「成長と所得貧困削減」、「生活の質と社会福祉の改善」、「良い統治及び説明責任」などを目標としたMKUKUTAの実施に活用されるものです。
(2) 国際幹線道路の改良による、EAC域内の経済活性化支援
「アルーシャ-ナマンガ-アティ川間道路改良事業」は、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ」(「EPSA for Africa [3])」(詳細は別添参照)のもとで実施するアフリカ開発銀行との協調融資の第2号案件です [4]。本事業は、タンザニアの首都ドドマからケニアの首都ナイロビへと続く唯一の輸送ルートである国際幹線道路の一部を改良するものです。これにより、同基幹道路の輸送能力増強を図り、EAC域内の経済統合推進、交易の促進を図るとともに、地域住民の生計向上と貧困削減を目指します。
(詳細はこちら)
[1] HIPCイニシアティブとは、1996年のリヨン・サミットの際に合意された、国際金融機関や商業債権者を含むHIPC(重債務貧困国)諸国の債務を持続可能なレベルまで低減することを目的とした債務救済のイニシアティブ。1999年のケルン・サミットの際に、ODA債権の100%削減と適格な非ODA債権90%削減などの債務救済措置の拡充や対象国の拡大など、同イニシアティブの拡大につき合意され「拡大HIPCイニシアティブ」となった。
[2] 東アフリカ諸国による連邦政府設立を最終目的として、1999年発足、ウガンダ、ケニア、タンザニアが加盟。2007年にはブルンジとルワンダが加盟予定。
[3] EPSA for Africa:Enhanced Private Sector Assistance for Africa
[4] 第1号案件は、2006年3月31日に9億6,000万円を限度とするセネガル共和国向け円借款貸付契約を調印した、バマコ-ダカール間南回廊道路改良・交通促進事業(EPSA for Africa)