プレスリリース
〜大型のODA事業として世界初のCDM事業化へ〜
新聞発表/2007-33
2007年6月28日
国際協力銀行の円借款事業であるエジプトのザファラーナ風力発電事業は、国連のCDM理事会により、クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism (CDM)) [1]事業として登録されました [2]。(別添参照)
ザファラーナ風力発電事業は、エジプトの首都カイロから南東220kmに位置するザファラーナ地区に風力発電所(出力120MW、日本最大規模の宗谷風力発電所出力57MWの約2倍)を新設するために、資機材調達・建設、コンサルティングサービス等に必要な資金を供与するもので、2003年12月に貸付契約を調印、現在建設準備が進められています。風力というクリーンエネルギーを利用することで温室効果ガスの排出削減が期待され、京都メカニズムの一つとして導入されたCDMの適用を目指し、これまで必要な手続きを進めて参りました。
2007年10月から2014年9月までの7年間に本プロジェクトから生じるとの見込みの排出権173万トンのうち、日本カーボンファイナンス(Japan Carbon Finance, Ltd. (JCF) [3])が139万トンを買い取る予定です。本件がCDM案件として承認されたことで、京都議定書で我が国に課せられた6%の温室効果ガス削減目標の達成に向けた我が国の取り組みに貢献するものと期待されます。
本件は、2国間協力事業として実施される大型CDM事業の事業費をODAにより支援する世界で初めての事例となります [4]。本件が先例となり、これまでCDM事業の実施を期待しながらも、事業実施に必要な資金調達が困難であった途上国でのCDM事業実施が促進され、CDMの地理的偏在 [5]の解消に寄与するとともに、ODAとCDMの目的である途上国の持続可能な開発への寄与が期待されます。
当行は、これまで円借款案件形成・実施の各段階で独立行政法人国際協力機構(JICA)との連携を図ってきております。JICAでは、これまで開発途上国のCDM実施能力の強化のための支援を実施してきており、当行は今後CDMを含む地球温暖化対策の分野でJICAとの連携を更に強化していく予定です。
[1] クリーン開発メカニズム(CDM)は、京都メカニズムの手法の1つで、先進国・市場経済移行国が、開発途上国において温室効果ガス削減事業を実施し、それにより生じた削減分(排出権)をクレジットとして取得し、自国の目標達成に利用できる枠組み。途上国の持続可能な開発にも寄与。
[2] CDM事業登録の日付は6月22日。
[3] JCFは、開発途上国及び体制移行国から排出削減クレジットの買い取りを行うこと及び排出削減クレジットの買い取りに関するコンサルティング業務等を行うことを目的に、2004年11月に、日本の民間企業等と当行が設立した機関です。
[4] これまでにも、京都議定書を批准しているものの温室効果ガス排出量の数値目標がない開発途上国単独で実施するCDM事業 をODAで支援した事例や、開発途上国における国家指定機関のCDM認証手続きに対しODAで技術協力を行った事例はありますが、本件のような大型のCDM事業で、ODA供与国側がクレジットを取得する2国間協力事業のCDM事業登録は、世界で初めてとなります。
[5] これまでに登録されているCDM事業は中国やインド等特定の国に集中し、他の途上国でのCDM事業実施が進んでいないことが指摘されています。