アフガニスタンの安定的な社会復興・開発を進める上で、国民(約2,860万人、2015~16年アフガニスタン中央統計局推計)の半数が従事する農業の発展は最も重要な課題の一つである。しかし、30年以上に及ぶ内戦による混乱の結果、灌漑施設をはじめとした基本的な農業インフラの損壊(灌漑率:農地面積の5.8%(2007年当時:世銀))や農業技術開発の停滞、行政による農家への普及支援体制の崩壊、違法な麻薬取引につながる芥子栽培に偏重した作付け等、同国の農業は健全な成長を失い、生産量・品質ともに低下の一途をたどった。さらに、近年の気候変動の影響から頻発する干ばつや散発する大洪水、復興とともに増加し続ける人口…