【セントビンセント及びグレナディーン諸島】第1回中学生による魚料理コンテストを開催

2016年1月28日

セントビンセント及びグレナディーン諸島における漁業共同管理の促進に向けて、プロジェクトでは2015年度初頭より、沖合の浮漁礁(FADs)を使った漁業振興に力を入れています。その結果、これまで同国では稀にしか獲られなかった大型の回遊魚(キハダマグロ、カジキマグロ等)が、首都キングスタウンにある魚市場(通称リトル・トウキョー)に水揚げされるようになってきています。魚市場からは、「こんな大きな魚が獲れるのか」という驚きの声や、漁民からは「FADsの導入以前と比べ収入が増えた」など喜びの声も聞かれてきています。プロジェクトの当初の狙いである、FADsの設置による効果とその利益の発現が人びとの間で徐々に浸透しつつあるため、今後は、漁民の組織化や組織内規定の策定等の活動を更に強化し、持続的なFADsの共同管理に取り組んでいきます。
一方、これまでは魚を取ることに力を入れて来ましたが、これからは獲れた魚を消費することにも目を向けていく必要があります。そのためには、まず、同国民により多くの魚を食べてもらうことです。
2016年1月28日、水産局に配属の古元協力隊員が音頭を取り、農林水産省、教育省、保健省並びにプロジェクトの共催で、「第1回中学生による魚料理コンテスト」が開催されました。今回は、同国西部に位置する3つの中学校が参加して、制限時間内にオリジナル・レシピに基づいて魚を調理し、その料理の見た目や味、独創性等を競い合いました。漁業協同組合長や政府関係者による厳正なる審査の結果、バルアリー技術専門学校の「鯛のココナツ蒸しとマッシュド・スイートポテト」が、見事第1回目の優勝に輝きました。閉会式に際して水産局長より、全ての中学校において同コンテストを開催すること、また、全てのレシピをまとめて冊子を発行することが約束されました。プロジェクトでは、今後もこのようなイベント等を通じて、生産者(漁民)と消費者(同国民)の繋がりを強化していけるよう支援していきます。

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FAD設置後から大型マグロが水揚げされ始め、漁獲されたキハダマグロの大物60kgからは驚きの声が聞かれる

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調理に励む中学生(1)

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調理に励む中学生(2)

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優勝を獲得した作品「鯛のココナツ蒸しとマッシュド・スイートポテト」

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惜しくも優勝を逃したが、日本人の評価が高かった作品「フィッシュボールとマンゴーソース」

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農水省、教育省、保健省、漁業協同組合の代表からなる審査員へ料理の説明をする中学生

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本イベントの発案者、古元隊員(コミュニティ開発)による授与式

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優勝校の生徒と水産局長、古元隊員による記念撮影