和平後13年を迎えるボスニア・ヘルツェゴビナ(以下BH)だが、教育システム、カリキュラム、教科書等は民族毎に別のものが使われており、戦争の影響は未だ色濃い。国際社会はBHがEU加盟を目指すためには、国民の一体感を醸成し、共に発展を目指すことが必然と認識し、そのためにも教育改革が急務と捉えている。
BHの教育改革の推進役を勤めるOSCEは2002年に教育統合に着手し始め、2003年には初・中等教育枠組法が採択され、民族間で内容の対立が起こりにくい核の部分から統合を進める「共通コア・カリキュラム」の導入が決定された。
我が国は人間の安全保障の観点からもOSCEの呼びかけ…