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プロジェクト活動

業務の概略

プロジェクト目標と成果

カンボジアで進められている地方分権化・業務分散化(Decentralization and Deconcentration: D&D)はその初期段階にありますが、D&D実施に向けた公務員の人材育成が不十分な状態です。本プロジェクトでは、D&D推進のため、現状で最も現実的な方法で公務員の人材育成を目指し、以下の図1に示されているプロジェクト目標と活動成果を実現させます。

図1 プロジェクト目標と成果
図1 プロジェクト目標と成果

プロジェクトの対象グループ

本プロジェクトの研修運営管理の技術移転は、中央レベルでは内務省地方行政総局(General Department of Local Administration: GDLA)を、地方レベルでは地方行政事務所(Provincial Local Administration: PLAU)を中心とした内務省州事務所を対象とします。

本プロジェクトが実施する研修の受益者は、GDLAを中心とした内務省職員、全州(州知事、副知事、地方行政担当職員、関連省庁(中央含む))、モデル州(州事務所、郡事務所職員)を想定しています。

表1 研修一覧
研修名称 研修対象者 予定延べ人数
研修運営管理 GDLAタスクフォース
40人
コア研修講師養成 GDLA職員、州事務所職員
30人
モデル州研修講師養成 州事務所職員
30人
地方行政 GDLA職員
400人
地方行政 全州の選抜された地方行政担当職員
360人
地方行政 モデル州の州事務所職員
500人
地方行政 モデル州の郡事務所職員
500人
トップマネージメントセミナー 州知事・州副知事・関係省庁幹部職員
750人
国別研修1「地方行政」 コア研修講師候補者
30人
国別研修2「トップマネージメント」 内務省高官
9人

業務実施の基本方針

「プロジェクト概要:背景」に述べられている地方行政職員の人材育成に係る課題を解決するため、以下のような業務実施基本方針を設定します。

  1. GDLAのオーナーシップを尊重し、研修運営管理能力の向上を目指す。
  2. 研修運営管理能力を育成するためOJTによる技術移転を重視する。
  3. 技術移転の内容や研修にはカンボジア側のニーズを十分に配慮したものとする。

こうした業務実施基本方針の実現を図るために、以下のような業務運営方針を設定します。

  1. 研修実施にあたってはカスケードによって段階的に実施する。
  2. 研修実施にあたっては参加型研修の計画・実施・評価を行う。
  3. 日本の知見を積極的に活用する。
  4. 他ドナーや現地リソースと連携する。

研修実施にあたってはカスケードによって段階的に実施する

カスケードによる研修実施とは、初めにTOTを実施し、TOT受講者が再びTOTを実施し、これを複数回繰り返すことで、多人数の研修講師養成を可能とし、研修を効率良く実施するというものです。本プロジェクトでは、中央でGDLA職員を中心としたコア研修講師養成を先行させ、このコア研修講師により、モデル州職員を対象とした研修講師養成を実施します。このモデル州の研修講師によって、モデル州職員・郡職員研修を実施します。

研修実施にあたっては参加型研修の計画・実施・評価を行う

研修実施にあたり様々な局面で参加型手法を活用し、きめ細かく多面的な情報収集に努めます。特に、研修ニーズ調査や評価・モニタリングに関しては、質問票調査、インタビューなどとともに、研修対象者・受講者を含めたワークショップを実施することで、定性的な情報を収集し、グループ討議を通した情報の相互チェックなども実現します。

日本の知見を積極的に活用する

本プロジェクトで計画されている国別研修で得られた、日本の地方自治制度、公務員研修制度、組織文化などの知識を積極的に活用します。このために、日本とカンボジアの制度比較を促し、これらの知識がカンボジアで応用可能になるように研修参加者に対して、研修参加後のフォローアップを実施します。具体的には、研修開始時点のオリエンテーション、研修生の帰国後に報告会やワークショップなどを実施する中で、情報の整理・分析を実施し、カンボジアにふさわしい公務員研修制度や組織のあり方について研修参加者と共同で検討します。

他ドナーや現地リソースと連携する

既に多くの国際機関やドナーがD&Dにかかわる事業を展開しており、それらの活動によって生まれた成果やリソースを活用することで、本プロジェクトのより効率的な運営を図ります。このため、広範なステークホルダーと連携するために、プロジェクト紹介パンフレットの作成と配布を行い、またウェブサイトなどを活用してプロジェクト活動を広報します。

業務実施の方法

業務内容

本プロジェクトは以下の年次で実施します。

  • 第1年次 2007年2月〜8月
  • 第2年次 2007年10月〜2008年3月
  • 第3年次 2008年4月〜2009年3月
  • 第4年次 2009年4月〜2010年1月

第1年次から第4年次にかけて、図2にあるような研修を実施していきます。

図2 研修の全体図
図2 研修の全体図

各研修とプロジェクトの活動年度の関係は以下の表2のようになります。

表2 各研修と活動年度
研修名称 年次
1年次 2年次 3年次 4年次
研修運営管理
○
○
○
○ 
コア研修講師養成
○
○
○
○
モデル州研修講師養成
 
 
○
○
地方行政(GDLA職員)
○
○
○
○
地方行政(全州の選抜された地方行政担当職員)
 
○
○
○
地方行政(モデル州の州事務所職員)
 
 
○
○
地方行政(モデル州の郡事務所職員)
 
 
○
○
トップマネージメントセミナー
○
 
○
○
国別研修1「地方行政」
○
○ 
○
○
国別研修2「トップマネージメント」
○
○ 
○
 

地方行政に関する実態調査の実施

2008年半ばから、D&D分野のSNDD(Sub-National Democratic Development)国家プログラムの策定が本格化することが予想されています。このプロセスで、日本が内務省の意向を十分に汲み取り、他開発パートナーと連携しながら政策レベルでの協議に積極的に参画していくことが望まれています。SNDD国家プログラムを策定する際に6つの主要コンポーネントが挙げられ、そのうちの一つが「人材育成制度強化と能力開発」とされています。これは、本プロジェクトの活動が直接的に関わる分野であることから、プログラム形成プロセスで積極的に関与していくべき分野です。また中長期的な視点に立ち、日本がD&D分野でどのような支援を形成・実施していくのかも、重要な課題となります。

これらにしっかりと対処するためには、調査・分析に基づいてカンボジア地方行政の現状と課題を深く理解しておくことが重要となります。このため、第2年次には「地方行政に係る実態調査」を実施しました。また、第3年次はこの調査をさらに深めて、地方行政に関する人材育成制度や組織の現状と課題について調査を実施する予定です。