東ティモールでは、海上交通を除くと道路交通が唯一の交通手段であり、各県を結ぶ20ルート、1,426キロの国道網が最も重要な交通・流通基盤である。しかし、この道路網は経年劣化による路面の損傷、雨期の豪雨による道路の崩壊、河川洪水による橋梁の洗掘等により損傷が進んでいる。さらに2002年の独立以降の混迷に伴い、適切な維持管理がなされなかったことが道路損傷をより悪化させている。また、雨期の土砂崩れ等による交通の遮断は、経済活動へ負の影響を与えるだけでなく、特に地方部における住民の教育・保健医療サービスへのアクセスを妨げ、国民の基本的生活の維持と向上に対する障害となっている。このような社会・経済活動の…