エボラ対策支援2

2014年10月31日

2014年8〜10月

前プロジェクト・ニュースでもお伝えしましたように、エボラ感染拡大防止のためプロジェクトは啓発活動を中心にラゴス州政府を支援しました。中でも公立小・中・高校に配布したポスターに関してはプロジェクト専門家も直接編集作業に加わりました。ラゴス州保健省関係者、印刷業者とともに児童にも理解しやすいように絵や写真を多用するなど工夫をしました。
ナイジェリアではエボラ感染予防についてのいくつかの迷信があります。中には体に害を及ぼすような危険なものさえあります。例えば、塩水を飲んだり、塩水で体を洗ったりすればエボラに罹らないと信じている人たちがいまするようです。実際に塩水を大量に飲みすぎて死亡した人もいます。またナイジェリアではエボラの感染源と考えられているコウモリや猿などの野生動物を食する人たちもいます。このような当地特有の情報もポスターに入れ込み効果的に情報を発信できるように努めました。
編集作業中に「美味しそうに見える猿やコウモリの写真を載せるのは逆効果では」と発言する関係者もおり、ラゴスの文化・慣習に沿った啓発支援が出来るように調整しました。これらの共同作業を通して州保健省職員らとの関係もさらに強くなったと感じています。
ラゴス州において学校向けの啓発活動を支援したのはJICAのみで、州知事特別顧問(公衆衛生担当)から、この功績について州知事に直接伝えるとのお言葉を頂きました。
最終的にナイジェリアでは感染者20名のうち8名が死亡しましたが、他の国(リベリア、シエラレオネ、ギニア)と比較すると圧倒的に少ない犠牲者数に抑えることに成功し、10月20日、世界保健機構よりエボラ感染終息宣言が出されました。

【画像】

公立小・中・高校用に配布したポスター