ナイジェリアの社会

ナイジェリアの社会・経済状況とジェンダー課題

ナイジェリア国は約1億3千万人の人口を抱える大国で、アフリカ最大の産油国です。しかし1日1ドル以下で生活する貧困ライン以下の人口率が約70%と非常に貧困層が多い国です。また、他のアフリカ諸国と比較すると、成人識字率や推定所得、国会議員に占める女性の割合などのジェンダー格差が目立っています。さらに妊産婦死亡率が10万件当たり800件にのぼり、女性の置かれている状況が厳しいことが伺えます。

アフリカ主要国と比較したナイジェリアの社会・経済指標

このような現状に対し、ナイジェリア国政府は連邦女性省の設立、国家ジェンダー政策の策定など、マクロレベルでのジェンダー平等推進のための基本的な政策・制度的枠組を整備してきました。

しかし、女性の中でも政治・経済の意思決定に参画できる少数のエリート女性と、コミュニティレベルの圧倒的多数の貧困層女性という二極化が顕在化しています。コミュニティレベルでの貧困を、世帯内の男女の役割や力関係という視点から見ると、貧困世帯では収入が不十分であるだけでなく、収入が得られた場合でも、健康や教育というニーズに収入が適切に利用されない場合がありますが、その背景には、稼ぎ手とみなされる男性が世帯の収入の用途を決定し、女性や子供のニーズを満たすことが優先されないという現状があります。家事・育児を担うと見なされる女性が、家事や子供のニーズを満たすために収入を得ることで、世帯全体の生活レベルが向上する例が報告されており、生活向上のためには、女性が実践的なスキルを身につけ収入を得ることが重要であると考えらます。

しかし、ジェンダー格差の大きいナイジェリア国において、女性が世帯のために収入を利用するためには、収入を得るためのスキルの習得だけではなく、女性が経済活動に携わることへの男性/コミュニティの理解や、女性の移動性の拡大、社会的ネットワークの構築など、包括的なエンパワーメントが必要となります。