フィリピン共和国北部のルソン島に位置するコーディレラ地域は、言語と文化の異なる先住民族が全住民の70パーセントを占めており、これらの人々は山岳部に居住することから地理的にも孤立しており、保健サービスへのアクセスが悪い。貧困層の割合も全国平均より高く、同地域のアブラ州及びアパヤオ州は全国の最貧困10州の中に位置づけられている 。こうしたことから、保健省は同地域を「地理的に孤立した不利な地域」と位置づけ、保健プログラムの優先実施地域としている。コーディレラ地域では、(1)保健人材の絶対数の不足に加え、訓練を受けた保健人材が不足している、(2)多くの保健医療施設において適切な保健サービスの提供に最低…