2009年3月11日
2008年7月から建設が行われてきましたマイクロ水力のパイロットプロジェクトが完成し、2009年1月29日に竣工式を開催しました。
当パイロットプロジェクトは、パナイ島アンティケ州セバステ町の未電化集落(イグパツヤオ)に15kWのマイクロ水力発電所を建設し、周辺住民約50戸に対して電力供給を行うものです。その目的は、プロジェクトの計画から実施までの実務を専門家の指導のもと経験することにより、カウンターパート(C/P)のマイクロ水力発電技術に対する理解度を高めることにあります。このオンザジョブ・トレーニング(OJT)において、C/Pは地点の選定のための調査、流量測定、地形測量を自ら行い、設備設計、工事監理、竣工検査といった一連の活動を経験することができました。また、発電所を運転維持管理していくために必要な住民側の理解活動や村落組織(BAPA)形成など、いわゆる社会的準備活動についてもC/Pが実務経験を積むことができました。
これまでのプロジェクトニュースでも紹介していますが、本技術協力プロジェクトでは機器の製造技術を移転する活動として、「水車製造トレーニング」と「ELC製造トレーニング」をこれまでに各3回実施してきました。イグパツヤオ発電所で使用されたクロスフロー水車はトレーニング参加者が設計してマニラの業者が製作したものです。また、ダミーロードガバナの制御装置であるELCには、トレーニングで製作されたものが利用されました。このように、本発電所はほとんどフィリピン国内で製作・調達された資機材で建設されています(発電機だけ中国からの輸入品です)。このことは、将来水力発電関連機器の修理が必要になってもフィリピン国内で対応ができるということを意味しており、発電所の持続性を向上させるうえで大きな意義があります。
竣工検査では、これらの設備が設計どおり機能することが確認できました。竣工式は、エネルギー省、アンティケ州政府、セバステ町、セントラルフィリピン大学、JICAの要職者及び地元住民の参加の下、盛大に行われました。
当パイロットプロジェクトを通して、C/Pは机上だけのトレーニングより深いマイクロ水力技術ならびに社会的準備技術の習得ができたものと思われます。また、当マイクロ水力発電所が持続的に運転され、地元住民の生活スタイルの改善に貢献できることを期待します。
写真上:完成した取水堰及び取水口
写真中:完成した水車・発電機と負荷制御装置
写真下:竣工式でのエネルギー省次官補によるスピーチ