エチオピアでの第三国研修報告

2015年10月16日

2015年9月28日から10月1日にかけてエチオピアのアジスアベバで産業貿易省事務次官及び財務省副事務次官に加え新聞記者を含む5名を対象にカイゼンプロジェクトの第三国研修を実施しました。

カイゼンプロジェクトを2013年4月にドドマ、モロゴロ、ダルエスサラームで開始しました。これまで47社に対してカイゼンを導入し、13名のカイゼンマスタートレーナー及び2名のカイゼントレーナーを育成しています。

カイゼンプロジェクトで戦略・施策を策定しカイゼンの普及を図るにあたって、事務次官級がカイゼンに関する理解を深め、より積極的にプロジェクトのリーダーシップを発揮することが重要であるとの考えに基づき、今次研修を企画しました。エチオピアはアフリカの中でもカイゼンを積極的に推進している国であり、エチオピア・カイゼン・インスチチュート(Ethiopia Kaizen Institute:EKI)をはじめ、先進事例を学ぶことが出来ます。

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EKIの1階ホール

研修では、動機づけを目的として意見交換のための時間を多くとりました。EKIによるエチオピアにおけるカイゼン運動及びカイゼン戦略の説明、靴製造メーカーの工場見学、アジスアベバ大学教授によるカイゼン運動の先進事例と教育機関の役割に関するワークショップ等いずれにおいても活発な質疑応答による意見交換が行われました。特に産業貿易省事務次官がカイゼン推進のための制度及び産業政策におけるカイゼンの位置づけに関心を示し、財務省副事務次官は、EKIの予算面の評価指標等、政府支出に関する質問を中心に情報収集していました。

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ピーコック社を見学するタンザニア視察団

加えて工業大臣への訪問では表敬に留まらず、今後のカイゼンに関するタンザニアとの協力について協議が行われました。今後、協力の実現に向けて在アジスアベバタンザニア大使館が中心となってフォローアップをしていきます。

帰国直後にプレスカンファレンスを行い、7紙の記者に対して研修報告を行いました。MIT事務次官は、報道機関と政府のハイレベルに対するカイゼンの啓蒙がカイゼンの普及を推進する上で重要であるとして、報道機関に対するカイゼンの説明会とカイゼン実施中の企業の視察を企画するようタンザニアカイゼンユニット(Tanzania Kaizen Unit)に指示を出すと説明する等、1時間にわたりカイゼン研修で学んだことを説明しました。Daily Newsをはじめ、テレビでカイゼンに関する報道がされる等、広報面での成果が早速見られました。

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マスメディアの質問に対応するMussa産業貿易省事務次官

我々のプロジェクトでは、カイゼンAwardと称してカイゼンを実施し成果を出した企業と優秀なカイゼンマスタートレーナーの表彰を行うイベントを11月20日にセレナホテルで開催する予定です。カイゼンAwardでは、タンザニア民間セクター財団(Tanzania Private Sector Foundation:TPSF)議長及び今回の研修に参加または参加予定であった省庁のハイレベルの大臣または事務次官を招く予定です。