プロジェクト概要

プロジェクト名

温室効果ガスの削減に係る組織能力強化プロジェクト

対象国名

タイ

プロジェクトサイト

バンコク

署名日(実施合意)

2009年10月21日

協力期間

2010年1月13日から2012年2月29日

相手国機関名

温室効果ガス管理機構(TGO ; Thailand Greenhouse Gas Management Organization (Public Organization))

背景

気候変動は、21世紀に人類が直面する最大の課題の一つと位置づけられ、現在新たな国際的な対策の枠組みが模索されている。タイ政府は、京都議定書において、温室効果ガス(GHG)の削減義務が課せられていないにもかかわらず、タイ温室効果ガス管理機構(TGO)を初めとする気候変動関連機関による気候変動対策への取組意欲が極めて高く、GHG排出量削減に向けたアクションプランを策定するなどの取り組みを実行している。

また気候変動への対策については、タイ政府が省庁横断的な政策対応を目的として2008年1月に気候変動対応国家戦略2008-2011を策定しており、包括的・網羅的なデータ分析に基づく重点課題の抽出と対応のための6つの戦略を定性的に定めている。

  • 戦略1 気候変動の影響に対応しリスクを低減するための能力づくり
  • 戦略2 GHG排出量の削減と炭素吸収源の総合的開発の支援
  • 戦略3 気候変動の理解を促進する開発と研究の支援
  • 戦略4 気候変動による問題解決のための啓蒙活動
  • 戦略5 気候変動業務に関係する個人と組織の能力向上
  • 戦略6 気候変動に関する国際協力

これらの戦略の推進において中心的な役割を荷うのがTGOであり、現在のところクリーン開発メカニズム(CDM)に関する承認、啓発、訓練、情報整備を中心とする業務を行っている。

しかしながらTGOは、同国の「GHG抑制に関わる全ての活動の促進と支援」を担うとしており、そのポテンシャルの高さから関心を集めているが、多くの途上国と同様、経験が浅いために人材の不足、知見の不足という問題を抱えている。

このような状況の下、タイ国政府から我が国政府に対し、(1)TGO、(2)タイ国内のCDM関係者、(3)東南アジア諸国のCDM関係者、の能力強化を目的とした「温室効果ガスの削減に係る組織能力強化プロジェクト」が要請され、わが国政府は本要請を採択した。

目標

上位目標

タイ国におけるGHG緩和の活動が促進される。

プロジェクト目標

TGOのGHG緩和策に対する人材のキャパシティ・ビルディングと組織力強化が達成される。

成果

  1. TGO職員のGHG緩和策に対する知識レベルと専門知識の向上。
  2. TGOの研修提供キャパシティの向上。
  3. TGOのGHG緩和プロジェクトに対するレビュー及びモニタリング能力の向上。
  4. TGOのGHG緩和策に関する情報管理能力の向上。

活動

1-1.
TGO職員へのCDMのための研修の実施。
1-2.
TGO職員への炭素取引に関する研修の実施。
1-3.
TGO職員への関連分野でのGHG緩和策に関する研修の実施。
1-4.
TGO職員へのUNFCCCの概要と国際交渉に関する研修の実施。
1-5.
TGO職員へのカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)に関する研修の実施。
1-6.
TGO職員へのGHGインベントリに関する研修の実施。
2-1.
CDMに関する研修カリキュラムおよび研修教材の開発。
2-2.
炭素取引に関する研修カリキュラム及び研修教材の開発。
2-3.
関連分野におけるGHG緩和策に関する研修カリキュラム及び研修教材の開発。
2-4.
UNFCCCの概要と国際交渉に関する研修カリキュラム及び研修教材の開発。
2-5.
カーボンフットプリントに関する研修カリキュラム及び研修教材の開発。
2-6.
トレーナー訓練のためのワークショップ/セミナーの実施。
2-7.
2-6に記載されたセミナー/ワークショップに基づいたカリキュラム及び研修教材の評価の実施。
3-1.
潜在的なGHG緩和プロジェクトのリスト化。
3-2.
GHG緩和プロジェクトとしての選定基準の設定。
3-3.
GHG緩和プロジェクトの選定。
3-4.
GHG緩和プロジェクトのプロジェクトアイディアノート(PIN)及び/またはPDDの準備。
3-5.
タイの持続可能な開発基準を踏まえた、登録CDMプロジェクトに基づく試験的モニタリング実習。
3-6.
PIN及び/またはPDD形成の経験普及のためのワークショップやセミナーの実施。
4-1.
ウェブサイトの改善。
4-2.
データベースの改善。

投入

日本側投入

専門家派遣:チーフアドバイザー、プロジェクトコーディネーター、プロジェクト活動の進捗に伴い必要となる下記の分野での専門家(CDM、炭素取引、GHG緩和策、UNFCCCの概要と国際交渉、二酸化炭素排出量、GHGインベントリ、データベース、ウェブサイト、研修カリキュラム開発)。

供与機材:プロジェクター等研修機材(他の機材については必要性が認められればプロジェクト開始後に日本側の専門家との意見交換を行い検討)。

本邦研修:年間3〜4名

相手国側投入

専門家執務室の提供、インターネット回線、電気・電話の提供、公務員であるカウンターパートに係る経費(給料・日当・調査旅費等)の負担、研修参加者に対する旅費や日当の負担(研修参加者の所属先負担も含む)。

関連する援助活動

タイへの温室効果ガス抑制に資する技術協力として、バンコク首都圏庁環境局(BMA)の気候変動対策アクションプラン実施能力の向上を目指した「バンコク都気候変動削減・適応策実施能力向上」プロジェクトを実施しており、本案件との連携を行っている。具体的には、TGOの能力向上に向けた技術協力の一環としてBMAで実施している案件を取り上げるなどして相乗効果を図っている。