所長挨拶

2023年4月にJICA北海道所長として着任しました阿部裕之と申します。高校卒業までを札幌で過ごし、その後は意思を抱いて道外に出ていましたが、30年以上の時を経て北海道に里帰りさせていただきました。皆さんとともに北海道を益々盛り上げていければと思います。

新型コロナウィルス感染症が世界で猛威を振るい始めてから3年が経過しました。この間、JICAの研修プログラムは停滞し、海外協力隊員は帰国を余儀なくされました。また、皆様に当センターへ来館頂くことが叶わず、国際交流の拠点としての役割を果たすことができないでいることに忸怩たる思いでいました。しかしながら、長くて辛い日々もようやく終わり、社会・経済活動が通常の状態に戻りつつある中で、いよいよJICA is back!を示す時が訪れています。

JICAのミッションは途上国の経済社会開発の支援であり、それは変わらぬ目標なのですが、JICAの活動は日本が元気になってこそ成り立つという考えのもと、最近では地方創生に積極的に貢献する姿勢を打ち出しています。例えば、地域の担い手不足に起因する外国人材の受入れや多文化共生といった各地において直面する課題については、既に多くの自治体や地域の皆様によって受入環境の整備や多文化共生社会を実現するための取り組みが推進されていますが、途上国の人づくり・国づくりを支援してきたJICAだからこそお手伝いできることもあるかと思います。また、自治体やNGO、民間企業等の皆様による国際協力事業へのご提案・ご参加についても引き続きお待ちしています。

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JICAの組織ビジョンは「信頼で世界をつなぐ」です。不確実性が高まっている今だからこそ信頼で世界をつなぎたいと思います。JICA北海道は、開発途上国と北海道各地の地域社会をつなぐ「結節点」として、北海道の持続的な発展と開発途上国の経済社会開発の両方を目指すWin/Winの関係を構築していきます。

なにとぞ、ご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2023年4月
阿部 裕之