田村 美津子さん「マラウイ共和国にて」

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職種
幼児教育
派遣国
マラウイ共和国
派遣期間
2010年1月〜2012年7月
出身
香川県

田村さんにインタビュー!

マラウイ共和国ってどんなところ?

アフリカの南東部にあるマラウイ共和国は「The Warm Heart Of Africa」と呼ばれており、その名の通り人々はフレンドリーで温厚。面積は北海道と九州を合わせた面積に等しく、うち、世界遺産に登録されているマラウイ湖が5分の1(瀬戸内海に匹敵する)を占めます。農業が主産業で、タバコ・紅茶・コーヒー・綿・砂糖が主な輸出品。鉱物資源の産出はほとんどありません。平均標高1000メートル・熱帯サバンナ気候・降水量が比較的多いです。歴史的には、奴隷貿易・イギリスの植民地などの支配があり、1964年に独立しています。キリスト教徒が75パーセントを占め、各地に教会がありゴスペルの美しい歌声が聞こえてきます。時差は日本時間より7時間遅れです。

配属先はどんなところ?

「Consol Homes Orphan Care」(以下 コンソルホームズ)は、2000年にHIV/AIDS孤児支援を目的に設立されたNGO組織。マラウイ国内に大小約70のセンターがあります。幼児教育・青少年教育・職業訓練指導・HIV/AIDSケアー・ホームヘルスワーカーの育成等を中心に、子どもからお年寄りまで地域全体をサポートする様々な活動を行っています。任地は「ナミテテ」で、首都リロングウェから西へ50キロメートル。平坦な土地に湖があり、農業が盛んです。しかし80パーセントの人が貧困といわれています。水道はほとんどなく井戸を利用しています。電気は主要幹線道路沿いにしかありません。病院は町に公立1つ(治療費無料)・私立1つしかなく、病気になってもなかなか医者にかかれません。技術・数ともに不足しており、助かる命も助からない状況が見られます。

どうして協力隊員が派遣されるようになった?

コンソルホームズのJICAボランティアの受け入れは、2004年からはじまり、エイズ対策・幼児教育・野菜・村落・青少年の分野で10名のJOCV隊員が活動をおこなってきました。現在、幼児教育・青少年活動の分野で女性2名が活動しています。受け入れ当初は小さな団体でしたが、現在はユニセフ、マドンナさんが支援する団体「ライシングマラウイ」、MISIAさんが支援する「チャイルドアフリカ」など、世界中の支援団体にサポートされています。現在派遣先の隊員への要望は、幼児教育の技術指導です。メインセンターを中心に、数か所のセンターを巡回し、先生への指導・援助・保育活動を行っています。

現在の自分の活動は?

マラウイでは、先生が「ABC」と黒板に板書をし、それを子どもたちが読み上げるという小学校と同じような指導を行っています。派遣先も同じだったので「遊び」を通して「気づき・学び・育つ」ような指導ができたらと考えて活動しています。月一度の先生ミーティングで、遊びながら学べるような知育教材を先生たちと一緒に作り、実際に現場で子ども達と楽しむこともあります。体育・工作・音楽などの指導活動も行っています。

これまでに一番驚いたことは?

物の少なさ。派遣先は各種団体・ユニセフ等の寄付も多いのですが、それにしても物が少ないです。リサイクル工作するのにリサイクルする新聞やペットボトルがありません。もちろん工作道具など先生たちは持っておらず、隊員のもっているマジックを使用して教材作りをした際には、「マジックのふたを閉める」という行為を先生たちに指導しなければならないほどでした。

これまでに一番困ったこと・悩んだことは?

電気が3ヵ月近くなかったこと。その修理を頼んでも1ヵ月以上修理してもらえず、自分でほとんど修理しました。マラウイで仕事を頼んだ時は、いつになるかわかりません。おかげで、ロウソク1本でインスタントラーメンが作れることがわかりました。他にも、大工さんに棚を頼みましたが、「明日できる!」と言っていたのに、3週間してもできませんでした。待つこととあきらめることを学びました。

一番うれしかったことは?

明るく、やさしく、楽しいナミテテの人々との出会い。同僚や近所がとてもよくしてくれます。特に隣のアゴゴ(おばあちゃん)は、朝から晩まで私の世話をし、昼夜のご飯も作ってくれます。隣人のリニレイ(13歳女の子)には、赴任当初の辛い時に「笑いなさい、大丈夫!」と励まされてからの親友です。

香川のみなさんへ

私は15年ほど、保育・体育・野外活動を通して、子ども達と共に時間を過ごしてきました。あるとき「私には夢なんかない」という言葉をある子どもから聞き、子ども達自身が自分の将来に対してとても不安をもっていることを感じ「なにか私にもできないか」という思いは、年々深くなっていきました。そしてふと、子ども達の内に向いている瞳を世界に向けてみたら、もしかしたら何かのきっかけになるかもしれないと思い、私自身世界に踏み出してみました。マラウイのこの世界は、貧困・医療不足・援助に甘える体質等、マイナスの要素がいっぱいでしたが、人々の笑顔とやさしさは最高でした。「一日一日を満喫している」そんな感じです。この笑顔「香川のみなさんに届けたい」と思います。

ヒューマンストーリー(Before 派遣前)

参加動機は?

世界中の子ども達と遊びたい。子供達の笑顔の為に何かしたい。
これからの日本の子ども達は、いやがおうでも世界、国際社会と密接になっていく。そのかけ橋になれればいいと思って、そのきっかけのひとつに協力隊参加がありました。

応募にあたってのセールスポイントは?

自分の経験と性格

応募にあたってのウィークボイントは?

英語と性格

試験に際して、苦手分野をどう克服しましたか?

克服する時間がなかったのでありのままの自分で試験に行きました。

応募にあたって何か特別なことをしましたか?

英語の勉強を少ししました。多少協力隊や国際協力の本、資料、インターネットで調べました。

応募者へのアドバイスをお願いします!

受けるだけでも価値があります。訓練はもっと価値があります。たぶん派遣される2年間はもっと価値があると思っています。自分の人生において。やってみる価値は十分にあると思います。