大石 紗己さん「セネガルと日本を繋ぎたい」

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職種
日本語教育
派遣国
セネガル
派遣期間
2014年1月〜2016年1月(25年度3次隊)
出身
愛媛県

派遣国、セネガル

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私は2014年1月に西アフリカにあるセネガルに日本語教育という職種で赴任しました。セネガルはイスラム教徒が約95%を占める国です。お祈りを1日に5回したり、年に1度の断食月(ラマダン)があるなど、信仰心の強さを感じます。また、たくさんの部族がいて、一番多いウォロフ族をはじめとして、プラール族、セレール族、マンディンカ族などが暮らしています。それぞれ異なった言語を話しますが、大体の人たちはウォロフ族のウォロフ語を話す事ができ、セネガルでは共通語として使用されています。日本人の私がウォロフ語を話すと現地の人々はとても喜んでくれ、買い物の値段交渉がしやすくなったり親切にしてくれたりします。

活動の様子

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私は首都ダカールのビジネス系の大学で日本語を教えています。以前、短期ボランティアが3回派遣されていましたが、いずれも継続はされておらず、私が来たときも新規と変わらない状態でした。そのため安定した日本語コースの運営が行われるような環境づくりにも努めています。

学生たちに日本語の学習動機を聞いたところ、
(1)いろいろな言語をしゃべりたい
(2)本は経済発展しているから興味がある
(3)将来のビジネスチャンスに繋がるかもしれない といった理由でした。

東南アジアなどでよく耳にする「アニメが好きだから・日本文化に興味があるから」といった理由は数名でした。たしかに物質的にも精神的にも遠いアジアの日本文化はセネガルに浸透しておらず、世界地図を広げても日本の位置を正確に知っているのもわずか数名。だからこそ、もっと日本の事を知ってほしいと私自身意欲をかき立てられたのを覚えています。また、セネガルの人々は日常からいくつかの言語を話す事ができるためか言語能力に富んでいると感じました。文字に頼らず耳で聞いて覚える学生も多くいますが、そのためかひらがな・カタカナの習得には時間がかかるためローマ字で教えています。

日本語指導の他にも日本文化を紹介したり、お箸の使い方・書道など体験してもらう時間も設けています。個人的には小さな剣道教室を開き、週に1回剣道クラブの活動を通して日本人の精神面も伝えていきたいと思い実施しています。6人ほどのメンバーですが、防具をつけるようになり剣道を楽しんでくれている彼らを見ると私も嬉しくなります。

セネガルに暮らしてみて

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首都ダカールは住みやすく困る事はほぼありません。停電や断水がたまにあったり、雨季に雨が降り、水はけが悪く大きな水たまりがあちこちにあったりしますが、それもセネガル。道を歩いていると「ご飯食べにおいで!」と気さくに声をかけてくれたり、セネガル服を着ていると「これでお前もセネガル人だな!」と言われたりとても温かく感じます。人々はとても親切でよく冗談を言っては笑っています。家族がいつも一緒で子どもがたくさんいて、必ず挨拶をしてすぐに仲良くなるなど、日本にはない良さもたくさんあります。そんな光景を見ていると、発展途上の国だけれどこのままで十分幸せなんじゃないかという気分にもなります。

これからももっとセネガルと日本が近くなるように、そして学生たちや任地の人たちとお互いが分かり合えるように残り任期も楽しんで活動していきたいと思います。

<大石さんのレポートは、愛媛県青年海外協力隊を育てる会 会報誌に掲載されたものです。>