アジア最貧国といわれている国。バングラデシュ。最貧の貧というのは何を指すのかと疑問に思うほど人々はエネルギッシュで人が生きているというのを実感する毎日です。
確かに生活的に貧しい人は多いけど、人々の心は豊かで誰とでもコミュニケーションをとり、「元気?調子はどう?」と声を掛け合っています。バングラデシュに来て、心をやむことも少なくないですが、いつも人を気遣う現地の人の心に救われています。
任地であるサバールは首都ダッカからバスで1時間半、自然豊かな地域です。リハビリを専門とするNGOの附属小学校で主な活動を行っています。
小学校は肢体不自由児と通常児がともに学ぶ、インクルーシブ学校です。肢体不自由児が通える学校として国内最大であるため、国内で肢体不自由児をベースとしたインクルーシブ学校としてモデルとなるような学校を目指すとともに、重度の障がい児が教育を受けられる環境と教育カリキュラムについて活動を進めています。
「アッサラーム アライクム」子どもたちは学校の先生に元気に挨拶します。バングラデシュでは、これが目上の人に対する挨拶なのです。どの国でも挨拶をしあうのは気持ちのいいことですね。
私が仕事をしているのは、ウイリアム&メリー・テイラーという小学校。全校児童は300人のバングラデシュでは小さな学校です。そして300人の内100人は身体に不自由がある子どもたちです。
この子たちは家の近くの学校で入学を拒否されたり、入学できても授業についていけなかった子どもたちがほとんどです。この国では障がいのある人への差別や偏見がなくなっておらず、体の不自由な彼らの通える学校はとても少ないのです。
みなさんは手が不自由な友だちが字を書けないでいたらどうしますか。足が不自由で車いすに乗っている友だちがいたらどうしますか。この学校では字が書ける子が代わりに書き、歩ける子が車いすを押してあげます。みんな一緒に勉強しているのです。しかし、もっともっと体の不自由な子どもたちにとって学びやすい環境や学校を作っていかなくてはいけません。それが私の仕事です。バングラデシュの子どもたちはみんな笑顔で輝き、みんな協力し合って生きています。
2年間で彼らから得たものは数えきれません。彼らがこれから先も笑顔で生きていける未来を作るために次のステージでも全力で生きていくこと。そしてまたたくさんの経験を積み、バングラデシュに戻ってくることが私の目標です。