リプロダクティブヘルス強化プロジェクト フェーズ2

背景

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助産師によるHCでの教育セッション

シリアでは、この20年間で保健医療が大幅に改善され、中東地域でも比較的良好な状況です。一方で、保健医療サービスには地域間で格差があり、開発の遅れている地域では、保健サービスへのアクセスの難しさや妊産婦死亡率の高さが顕著に見られます。その中でも、女性は早く結婚することが良いとされる伝統的価値観や、家族計画の重要性に対する知識不足などが、女性の健康を保つ上での課題となっています。

  • プロジェクト期間:2010年1月〜2013年1月
  • シリア側実施機関:保健省ヘルスケア局リプロダクティブヘルス課

プロジェクト概要

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モスクでのアウトリーチ教育活動

プロジェクトのフェーズ1(2006〜2009)では、ヘルスセンターにおける母子保健・リプロダクティブヘルスサービスの利用増加を目指し、北部のアレッポ県マンベジ郡を対象に、ヘルスセンターでのサービス向上と住民の行動変容に取り組みました。フェーズ2では、マンベジ郡に加えて同県アルバーブ郡及びデルハーフェル郡、イドリブ県ハンシフーン準郡にも対象を広げ、公的保健医療施設でのサービス向上と、意識啓発などを通じた行動の変化を促す取り組みを行うと共に、県・郡保健行政の計画管理能力強化を支援します。

プロジェクトのハイライト

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宗教リーダー会合

シリアでは宗教的、社会的な理由から、特に地方部を中心に、多くの女性が家族計画や出産など女性の性と生殖の健康(リプロダクティブヘルス)について、自主的に決定することが難しい状況にあります。このプロジェクトでは、女性のリプロダクティブヘルスサービスへのアクセスに影響する要因を明らかにし、決定権に影響を持つ男性や宗教指導者などのグループに働きかけることで、女性が主体的に決定する権利を守り、実現することを目指しています。