所長あいさつ

JICAタンザニア事務所長の山村です。今回が初めてのアフリカ勤務になりますが、これまでの経験を最大限に活かして、タンザニアの発展に貢献していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

タンザニア連合共和国を構成する地域は、インド洋に面している地理的特性から、紀元前よりアラビア半島やインド亜大陸との交流があり、東アフリカの交易拠点として大きな役割を果たしてきました。この国際交易で使われたのが、現在のタンザニアの公用語であるスワヒリ語です。アフリカとアジア(主にアラブ)が融合し、東アフリカ海岸に独自の言語が誕生しました。

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現在のタンザニアには120以上の民族が存在しますが、お互いのアイデンティティーを認め合いつつ、一つの国として融合しています。この過程でもスワヒリ語が大きな役割を果たしてきました。初代ニエレレ大統領はスワヒリ語を公用語とし、言語を一つにしました。そして、民族間のバランスを考えつつ、国の枢要なポストに充てました。国を一つにまとめる政策は代々受け継がれ、今もタンザニアに安定をもたらしています。

融合から生まれる独自性。多様性がもたらす安定。一見すると相容れない概念が共存している社会。どうして成り立っているのか、実に興味深いです。

このタンザニアで、JICAとして何ができるか最善を尽くします。そして、より多くの方にタンザニアを知っていただきたい。タンザニアと日本が交わることにより新たな融合が生まれたら望外の幸いです。

拙文をご覧になり、なんとかしなきゃ!と思われた方。いつでもタンザニアにいらしてください。JICA事務所でお待ちしております。

JICAタンザニア事務所長
山村 直史