農業セクター開発プログラム(AgriculturalSector Development Programme:ASDP)バスケットファンドへの支援

  • 種別:有償資金協力
  • 案件名:小規模灌漑開発事業
  • 実施地域:全国
  • 協力期間:2013.5〜2017.3
  • 実施機関:農業・食糧安全保障・協同組合省

2000年頃からタンザニアの農業セクターにおいてセクターワイドアプローチ(SWAp)の導入が検討された際、JICAは政府・ドナー間の調整役を担い、農業セクター開発プログラム(AgriculturalSector Development Programme:ASDP)の枠組み形成(援助調整会合の開催、バスケットファンド設立)を支援しました。その後、2006年7月にASDPバスケットファンド設立に関するMOU(覚書)に政府・ドナーが署名し、ASDPの具体的な活動が開始されました。

ASDPは、(1)農業の生産性・収益性の向上、農家の収入向上を図ること、(2)規制や政策等の環境の改善を通じて、農業セクターの民間投資を促進すること、の2つを目指しています。日本は、他ドナーと共に、バスケットファンド運営委員会等の場を通じて、政府が実施するASDPの計画策定・事業実施監理について政策協議を行っています。また、JICAが実施する技術協力プロジェクトを通じて、現場レベルでの事業が円滑に行われるよう、関連する組織や人材の能力強化、さらに制度構築にかかる支援を財政支援とともに実施しています。

日本は、ASDPの立ち上げに深く関わったドナーとして、2006年以来、貧困削減戦略支援無償等による財政支援を行ってきました。2013年5月30日には、「小規模灌漑開発事業」の借款契約に署名を行い、34.43億円の円借款を実施することを決定しました。これは、ASDPバスケットファンド内の県灌漑開発基金(District Irrigation Development Fund:DIDF)に資金を提供し、新規の灌漑施設の建設、既存施設の改修及び関連機材の調達を実施することによって、コメを中心とする農業生産性の向上、小規模農家の生計向上、貧困削減を目指すものです。タンザニアはこれまで資金不足によって、高い農業・灌漑開発ポテンシャルを活かせておらず、灌漑面積は開発ポテンシャル(2,940万ha)の約1%強(2011/12年:37万ha)にとどまっていましたが、本事業により灌漑開発が促進されることが期待されます。