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西渕 泰 「ベトナムで頑張ってます!」

Yasushi Nishibuchi

【写真】Yasushi Nishibuchi

宮城県丸森町出身
青年海外協力隊

職種
野菜
配属先
ベトナム/省人民委員会タンズィン村人民委員会(バクザン省タンズィン村)
活動概要
住民の所得向上を目指し、商品価値の高い野菜栽培に力をいれる。コミューンレベルの農協事務所を拠点とし、農業技術普及員とともに村内を巡回しながら野菜の栽培技術指導・普及活動・実験栽培に取り組む。
派遣期間
2006.3月〜2008.3月
プロフィール
大学時代は沖縄県で過ごしました。いろんな偶然が重なり協力隊員として海外で働く機会を頂きました。日本で学んだ技術が実際に現地の人の生活改善に役立つよう、限られた時間を無駄にせず努力したいと思っています。

最終回:2年間の活動を振り返って(2008年3月16日)

【写真】

活動2年目のトマト栽培(モデル農家宅):
生育が良好で、着果数もかなり多くなった。周囲の農家で凍害が発生した際も被害はなかった。

【写真】

ワークショップの様子:
ハノイから専門家(ベトナム人)にも来てもらい、EM技術の事例紹介をしてもらった。

【写真】

講習会の様子:
説明する村農業改良普及員(左)と私(右)。任期後半には普及員の彼が自信を持って人にEM技術を紹介するようになった。

しばらく投稿できずにいましたが、早いものでまもなく任期が終了間近となってしまいましたので、前回からの活動の流れと活動の総括をご報告します。

活動1年目はとにかく自分の存在意義を知ってもらうこと、活動の内容としてはEM技術(有用微生物を活用した農業技術)の効果について身近な農家宅で実証し、村中に普及するための土台を作ることに専念しました。まず始めに畜産分野では1)悪臭の軽減、2)家畜の健康増進ですぐに効果が認められ、その家畜の排泄物を簡単に処理して土壌改良を行う方法を紹介し、村の農業改良普及員宅では、キュウリやトマト、コールラビ(前回カブと書きましたが、正しくはコールラビです)などの栽培に応用して生長促進や病害虫の発生軽減などの効果を実感してもらいました。

活動2年目の課題は、この有用性を認めてもらった技術をいかにして村の組織を巻き込んで普及していくかですが、ここからが思っていたよりも大変でした。

活動場所であるバクザン省タンズィン村は13集落、人口約14,000人の村で決して大きくはありませんが、口コミで技術を広げてもらうためには複数のモデル農家が必要です。そこで、活動2年目は「EM技術に関するモデル農家育成事業」として、各集落に1件ずつのモデル農家作りを推進し、モデル農家に対して集中的に情報提供と若干の資材補助を行いました。

それと平行して講習会による技術普及を考えていましたが、こちらの方がなかなかうまくいきませんでした。ベトナムでは農業技術の講習会などを開催する際、参加者に日当を支払います。金額は10,000ドン(約70円)程度。始めはモデル農家で結果を出せば、村の中の団体のどれかが興味を持って普及に協力してくれるだろうと楽観視してましたが、この予算がないことには講習会が開催できません。何かの集まりの際についでに技術紹介の機会をもらったりもしましたが、片言のベトナム語で1回きりの紹介では多くの人の関心を引くことはできませんでした。

そこで、モデル農家育成事業のまとめとしてワークショップを開催しモデル農家の方々に成果を発表してもらうと共に始めての参加者に対しては講習会を開催することにしました。

何をするにも思い通りにいかないもんで、ワークショップ準備段階でもバタバタしましたが、大体思っていたような内容のワークショップを開催。参加者はモデル農家、各集落長、集落長紹介の農家など50名程度。講習会を交えた事例発表会が開催できました。

結局、当初の予定よりかなり限られた範囲にしか情報提供できずに任期が終わりとなってしまいましたが、村の若い農業改良普及員はEM技術を実践を通して理解し、人に自信を持って薦めるようにようになってくれたので、自分が帰っても村に技術が定着することになりそうです。

今後ベトナムでもますます「食の安全」の「環境保全」に対する人々の要求が高まってきます。2年間で伝えた技術、情報が活かされることを強く期待します。

第3回:「ベトナムで頑張ってます!〜その2〜」(2006年12月26日)

収穫間近のトマト初年度にしては上出来。

収穫間近のトマト初年度にしては上出来。

知らずに始まったカブ栽培。ちょっと日本のカブとは違うんですが。EMボカシ飼育の鶏糞をさらにEMで処理した堆肥を使用(勝手に)。

知らずに始まったカブ栽培。ちょっと日本のカブとは違うんですが。EMボカシ飼育の鶏糞をさらにEMで処理した堆肥を使用(勝手に)。

結婚式の様子。これは新婦宅です。

結婚式の様子。これは新婦宅です。

結婚式の料理。豚肉、鶏肉はEMボカシ飼育です!美味しく頂きました。

結婚式の料理。豚肉、鶏肉はEMボカシ飼育です!美味しく頂きました。

ベトナムは日本と同じように南北に長く、北と南では気候や言葉も異なります。 私の住むバクザン省はベトナム北部にあり、12月に入ってから急に寒くなりました。ベトナムの家はあちこちに通気口があり、部屋を完全に締め切ることができません。気温は15〜20℃くらいありますが@暖房設備がないことAすきま風が吹くことB曇天が多く昼間も気温が上がらないこと、などの理由でとても寒く感じます。

さて、前回ご報告したトマトのモデル栽培の結果ですが、まずまずの状態です。日本のトマトは特別な種類を除いて花芽が規則正しく着きますが、こちらはかなり不規則。今年の栽培では予測できない花目の多さに施肥が追いつきませんでしたが、当初の目的であった「農薬・化学肥料を使わなくても(かなり減らしても)栽培ができる」という実証はできたかなと思います。まだ収穫してませんが見た感じ品質も問題なさそうです。

先週1週間任地を留守にしてる間に、作っておいた鶏糞堆肥が使用され、いつの間にかカブの試験栽培が始まってました。まあいい事なんですが、一言いって欲しいもんです。ということで、失敗できない試験栽培Aカブ編開始です。

最近は気温が低いため、畜産用のEMボカシ作りはちょっとお休みしてますが、モデル農家の家では秋に作っておいた分で継続して行われてます。最近では「豚がボカシを食べ慣れて、ボカシが入らないと食欲が良くない」といった声も聞こえるようになりました。口コミ効果で「何だかわからないもの」から「何だか良さそうなもの」になってきています。今月末に村農協へ「村農協によるボカシの製造・販売」に関する提案書を提出して説明会を実施しようと準備中です。目標はあくまでも地域としてレベルの高い農業を行うこと。質の高い材料の安定供給と指導者の育成、この仕組み作りがこれからの仕事の中心です。

さて、先週末にEMボカシのモデル農家の1件で結婚式がありました。 ちょっとベトナムの結婚式をご紹介。 日本とは違う所だらけなんですが、まず会場は新郎、新婦のそれぞれの家の庭先で行います。そして式は2日間。各家にはそれぞれ延べ500人近くが訪れます。

1日目のお昼前から近所の人たちや友達などが次々と来て、お酒を飲んで食事をして、お茶を飲んでそして帰っていきます。午後から夜にかけてもそれの繰り返しです。この間新郎・新婦はほとんど現れず、親戚がお酒をついで回ります。2日目も朝からこれの繰り返し。昼前に新郎が新婦の家に迎えにやってきます。写真を撮ったりした後は新郎宅に移動。披露宴というよりは、みんなでワイワイお酒飲んでご飯食べるって感じです。ご祝儀の平均は約350円(ちなみにフォー1杯は70円くらい)。夏は暑いし雨が多いので、秋から冬にかけては村中で結婚式の光景が見られます。

私が招かれた結婚式、もちろん豚肉と鶏肉はEMボカシ飼育の美味しい肉でした。

第2回:「ベトナムでの活動内容について」(2006年11月07日)

手前のボールの中にあるのがEMボカシ。村では豚のエサは炊いたご飯と野菜に濃厚飼料を追加するのが一般的。

手前のボールの中にあるのがEMボカシ。村では豚のエサは炊いたご飯と野菜に濃厚飼料を追加するのが一般的。

市場にてEMボカシ豚販売の朝の様子。市場で豚を販売している農家が肉質をみて自分の家でもEMボカシ作り開始。

市場にてEMボカシ豚販売の朝の様子。市場で豚を販売している農家が肉質をみて自分の家でもEMボカシ作り開始。

定植約10日後のトマト。たぶんこのトマトが育ってくれてなかったら、すごく活動がやりにくくなったことでしょう・・・。トマトさんありがとう!

定植約10日後のトマト。たぶんこのトマトが育ってくれてなかったら、すごく活動がやりにくくなったことでしょう・・・。トマトさんありがとう!

今回は、ベトナムでの活動内容についてご紹介します。
私のボランティア要請書の主な内容は「村にある農協事務所を拠点とし、農業技術普及員と共に村内を巡回しながら野菜の技術指導・普及活動・実験栽培に取り組む、具体的には未栽培野菜や加工用野菜の導入や近年当国で関心の高まっている低農薬野菜や環境保全型栽培などの普及を行う」といった感じです。
しかし、赴任後に指定された職場は農協事務所ではなく、村役場内の一室。農業技術普及員も村内を指導巡回している様子もありませんでした。何よりも赴任した今年5月には村一面稲作だらけで野菜栽培はほんの一部。もともと野菜に限らず何でも関わっていこうと思っていましたので、話をいろいろと聞いた結果、養豚と養鶏の飼育改善に取り組むことにしました。改良した家畜の堆肥で野菜や稲を栽培することをイメージしながら・・。

いろいろ考えた結果、一番良いだろうと思われた方法は「EMボカシ飼料の普及」でした。ちょっと補足説明しますと、EM(有用微生物群)技術とは琉球大学の比嘉照夫教授によって開発された技術で、簡単にいうと複数の発酵微生物を農業や環境保全に応用した技術です。世界中に幅広く普及されており、ベトナムでも製造・普及されています。
米ぬかにEMを入れて発酵させ、これを飼料に1%程度混ぜるというだけなのですが、ベトナム語ではこの説明だけでも一苦労・・・。まずはモデル農家としてカウンターパートの実家で養豚に使ってもらうことにしました。
EMボカシを食べさせ始めて数日で畜舎の悪臭、ハエが減り、約2ヶ月後に豚肉を市場で売るときには脂肪が少なく、締まりのいい肉だと市場の肉販売の人たちが驚いてくれました。その後、この家で養鶏にもEMボカシを活用し、鶏肉も成長が早く、畜舎の環境も清潔なので、周辺農家は畜産での効果を認めて興味を持つ家が増えてきました。

秋になり、村では稲刈りが終わった田んぼで野菜栽培が始まりました。カウンターパートの実家でトマトを作ると聞いたので、是非自分の提案する方法で作って欲しいと申し出て、化学肥料や農薬を使用しないモデル栽培が(かなり疑われながら)始まりました。
堆肥作りや土作りする時間はありませんでしたが、できる限りの資材で土壌改良をし、愛情を込めて育てたので、数週間で周辺の先に植えたトマトよりいい状態に!あとで聞いたら家の人たちは化学肥料を施さないで、育つはずはないと全然期待してなかったよう・・・。なにはともあれ、発言の信頼度を左右する大切なモデル栽培はよいスタートを切りました。

11月2日には「宮城県青年海外協力隊を支援する会」の方々10名が任地を訪問して激励してくださいました。どうもありがとうございます! 次回以降は、畜産モデルの拡大と野菜栽培の途中経過を報告します。お楽しみに!

第1回:「ベトナムで頑張ってます!」(2006年10月20日)

任地のバクザン省はライチの産地。今年は不作の年だったらしいですが、それでも6月には庭のライチが 食べ放題!

任地のバクザン省はライチの産地。今年は不作の年だったらしいですが、それでも6月には庭のライチが 食べ放題!

ホームステイ先家族です。これは夕食後にジャックフルーツを庭先で食べている所。

ホームステイ先家族です。これは夕食後にジャックフルーツを庭先で食べている所。

ベトナム名物の宴会です。小さなおちょこで焼酎のストレートを乾杯、一気の繰り返しです。辛い・・・。

ベトナム名物の宴会です。小さなおちょこで焼酎のストレートを乾杯、一気の繰り返しです。辛い・・・。

村役場でのEMボカシ作り。現地の人々にやりやすい原料や普及方法を検討中。

村役場でのEMボカシ作り。現地の人々にやりやすい原料や普及方法を検討中。

日本の皆様こんにちは。3月30日に日本を出発して早半年が経ってしまいました。ここでは、私の生活や活動について紹介させていただきます。

第1回目は、任地と生活、活動の概略について紹介します。私の任地はベトナム北部、首都ハノイから北東へ約60kmのバクザン省のタンズィン村という所です。村は日本の農村と同じように、水田が広がる稲作地帯で、道を水牛やアヒルが渡るようなのどかな場所です。

勤務しているのは村の人民委員会(日本の村役場)。勤務先では主に情報収集をして、現場の活動へ出かけていきます。

生活はホームステイです。村役場近くの家の1室を借りて生活しています。
家族はお婆さん、お父さん、お母さん、息子と娘が1人ずつです。あとは犬が2匹、猫が4匹、鶏が40羽くらいといった感じ。

電気、水道などは全く不便なく、電話回線もあるので、インターネットやEメールもできます。食事は3食とも家で頂いています。朝は6時前に起床。朝食には素麺のような麺を食べることが多いです。

基本的に午前中の仕事は7時〜11時。午後2時までは昼休みなので、家に帰って昼食。午後は5時まで働きます。夕食は6時頃。土日は休みです。

野菜隊員として派遣されましたが、野菜は栽培時期が限られているため主な活動は畜産(特に養豚、養鶏)用の発酵飼料(EMボカシ)の普及です。

村内のいくつかの農家で既に悪臭やハエの軽減、肉質の改善などの成果が出て、興味を持つ人も増えてきています。今後は多くの家庭に普及するための仕組み作り、指導員の育成が活動の目標です。

次回以降はより詳しく現場での奮闘ぶりを紹介します。お楽しみに!