支部コラム『洗心の眼』
食卓から世界は変わる
2012年4月12日
土から芽吹く、じゃがいもの新しい命
東北中に大雪が降り積もった2月25日。
一面銀白の世界となった山形県米沢で小さな映画上映が始まりました。
この映画のタイトルは「よみがえりのレシピ」。
監督は1981年に山形県鶴岡市に生まれた渡辺智史さん。
経済発展のみを目標に猛進してきた日本が忘れてしまった「在来作物」に焦点を当て、食と農を通じて地域社会が豊かによみがえる様子を伝えた映画です。
これまで私たちは「グローバル化」の名のもとに日本と世界をひとくくりにし、見知らぬ世界で作られた食べ物を無関心に口にしてきました。
それが、経済的に効率のよいもの、すなわち「豊かな食物」と信じていました。
しかし、その一口、一口がもたらした結果として、健康問題、日本の農業の衰退、そして、世界の食の不均衡が生まれていきました。
世界人口の7人に1人、約9億2,500万人は今でも飢餓に苦しんでいます。
世界にはすべての人々に十分な食糧があるにもかかわらず、です。
「本当に豊かな食物とは、生き方とは何なのか」
映画を通して渡辺監督は私たちに問いかけます。
山形や東北で代々つたわる在来作物を守っていくことの意味について、そして、単なる経済効率という枠組みではなく、東北の文化を守っていく、その文化を次世代につなげていくことの意味について。そして、このような在来作物を丁寧に料理し、食卓に並べていくことの意味について。
皆さんはどう思いますか?
JICA東北 元職員 三又英子