【研修レポート】「都市開発のための土地区画整理手法」フォローアップセミナー開催報告

2019年4月19日

2018年度「都市開発のための土地区画整理手法」の参加者を対象に、フォローアップセミナーを実施しました!

「土地区画整理」で住みやすい町をつくる

「土地区画整理」と聞いて何をイメージしますか。

人々の暮らしをより良くするための町づくり…「公園を整備する」、「道路を広げる」、「土地を売って町の整備費用にする」など。そんな時、土地区画整理手法が活躍します。

例えば、町に公園が欲しいとき。町に住む人々が、自分の土地を少しずつ出し合い(英語で言うとcontribution)、その出し合った土地を利用して公園を整備する。これが土地区画整理手法です。

この手法は日本の代表的な都市整備手法のひとつで、関東大震災や戦災(第二次世界大戦)の復興に広く活用され、日本の都市部の1/3が土地区画整理を用いて整備されたと言われています。

JICA東京では「都市開発のための土地区画整理手法」研修を実施しています。
このコースは土地区画整理手法を活用している国などを対象に、各国が直面している都市問題の解決に適用できる区画整理を見出します。

帰国後、研修の学びをどのように活かしているかを共有

研修を終了し、帰国した参加者は所属先において研修の成果報告を行っています。
こうした各国での報告状況について、関係者で共有するために、2019年3月26日に帰国後報告会「フォローアップセミナー(TV会議)」を開催。アフガニスタン、インドネシア、ネパール、ブータン、ベトナムと日本のコメンテーターが参加しました。
 
報告会の開始直後、テレビ画面を通して、再会を喜ぶ研修員の笑顔があふれ、「久しぶり、元気?」という会話から始まって近況報告をし合う大変な盛り上がりに。

この会議で、参加者は、活動進捗や取組および課題などを報告しました。
「プロジェクト対象地域で住民説明会を行った」、「区画整理の法律をつくる準備をしている」など、その内容はどれも素晴らしく、日本での学びを通して得た知識や経験が、帰国後の活動に活かされていることが伝わります。

「制度や文化の違いがあるからこそ、真剣に取り組めば取り組むほどお互い各国から学ぶべきことが多い」

日本人コメンテータ(中央が勝見氏)

 テレビ会議終了後、参加者たちから、「各国の検討状況進捗状況を知ることができた(インドネシア)」、「プレゼンに対するコメントが勉強になった(ネパール)」「もっと議論の時間がほしい(ベトナム)」「来年も参加したい(インドネシア)」といったコメントが届きました。

また、一つの研修プログラムに参加した仲間とこうして再会し、旧交を温めることができとても良かったというコメントも多く聞かれ、各国間直接の技術交流に発展していく可能性を感じました。

2018年度、本研修のコースリーダーを務めた勝見純氏は、「制度や文化の違いがあるからこそ、真剣に取り組めば取り組むほどお互い各国から学ぶべきことが多い。こうしたフォローアップは今後も積極的に継続していきたいと考えています。」と語ります。
日本での研修が終わっても、切磋琢磨し合う関係性が続くように、JICA東京も帰国後のサポートを続けていきます。

・研修名:「都市開発のための土地区画整理手法」
・区画整理を行う理由:
・地権者が町から出ていくことなく街の整備ができる(コミュニティーの維持)。
・公園や道路や下水道といったインフラ整備ができる。(環境整備)
・事業費の一部を自分たちで賄える。(セルフファイナンス)、ということで、
特に、都市化の激しい東南アジアや南米の国々から長年注目されてきました。

・期間:2018年5月24日~7月6日
・参加国:アフガニスタン、インドネシア、ネパール、ブータン、ブラジル、モンゴル、ベトナム