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日本の食卓とつながるパラグアイのゴマ栽培農家を支援

2009年09月09日

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手作業で行われるゴマの刈り取り。実が傷ついたり割れたりするので、機械は導入できない

日本のゴマの自給率は0.05パーセント。ほぼ100パーセントを海外からの輸入に頼っています。年間の輸入量は約16万トン(2006年)で、そのうち、加工用を除く、食用ゴマ5万トンの6割がパラグアイ産です。また、輸入国別シェアでも、パラグアイは、ナイジェリアに次いで第2位を占めています。

ゴマは、ここ10年間で、パラグアイの小規模農家にとって主要な換金作物としての地位を占めるに至り、今やその作付面積は10万ヘクタールを超え、生産農家は約5万に達するといわれています。また、大豆と並ぶパラグアイの主要輸出品の一つとなっており、日本はその最大の相手国でもあります。

今年7月30日に、パラグアイでJICAの新しい技術協力プロジェクト「小規模ゴマ栽培農家支援のための優良種子生産強化プロジェクト」がスタートしました。パラグアイのゴマ生産を担う、貧困地帯の小規模農家を支援するプロジェクトです。

16年前、パラグアイ政府の小規模農家支援政策が停滞していた時期に、民間企業主導で小規模農家にゴマ栽培が広がりました。それまでの主力作物であった綿をしのぐ収益性があり、また、人手に頼る細かい作業が必要なゴマ栽培は、貧困小規模農家の多いパラグアイ東部サンペドロ県、コンセプション県、アマンバイ県、カニンデジュ県に、またたく間に定着し、栽培面積が増えていきました。

しかし、小規模農家がゴマという一つの作物に依存するあまり、同じ作物を連続して栽培することによる連作障害、種子の品質低下などが問題となり、単位面積あたりの生産量が、栽培が広がり始めた93年ころと比べて半分以下に低下しているケースも見られるようになっています。

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刈り取ったゴマは束にして15日間ほど天日乾燥させる

「小規模ゴマ栽培農家支援のための優良種子生産強化プロジェクト」は、優良な種子をゴマ栽培小規模農家に安定して提供することを目的としており、モデル的な種子生産農家グループの育成、現在の主力品種「エスコバ」の純化栽培(注1)、メキシコからの導入品種の適応性試験と有望品種の普及、企業から委託を受けて生産農家に技術指導を行ってきたアスンシオン大学の技術指導能力・種子管理能力の向上などに、3年間にわたって取り組みます。また、マーケットのニーズを踏まえた成果を出すために、ゴマ生産者協会やゴマ生産組合など、民間セクターとのコミュニケーションを重視しながら進める予定で、いわば、「戦略的な産官学連携プロジェクト」として実施することとなります。

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パラグアイ、メキシコ、日本の関係者が参加した署名式

技術面では、ゴマ生産の高い技術を持つメキシコ政府の協力を得る予定です。日本とメキシコ政府が締結している「日本メキシコ・パートナーシップ・プログラム(Japan and Mexico Partnership Program: JMPP)(注2)を活用して、日本、パラグアイ、メキシコ3ヵ国の協力関係に基づき行われます。協力開始の署名式では、関係者が一堂に会し、文書にはアスンシオン大学農学部長、在パラグアイ・メキシコ大使、JICAパラグアイ事務所長の三者が署名しました。

意外なところでつながるパラグアイの農家と日本の食卓。メキシコとタッグを組んでの日本の支援が、大きな実を結ぶことが期待されています。

パラグアイ事務所


(注1)純化栽培とは、さまざまな品種が混ざり合った既存種子から1品種の種子を選抜→播種→発芽→育成する。発芽してからさらに交じっている別品種の苗だけを取り除き、収穫時には1品種のみを残す栽培方法。
(注2)パートナーシップ・プログラムは、かつて援助を受けていた開発途上国が、援助する側へ移行し、日本と対等の立場で協力して他の途上国を援助する事業。日本はメキシコはじめ12ヵ国とパートナーシップ・プログラム、あるいはそれに類する文書を締結している。