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日本企業の成功の秘けつ、「カイゼン」をエチオピアが導入

−「品質・生産性向上計画調査」プロジェクトのキックオフセミナーを開催−

2009年11月18日

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170社、320人の参加者があり、セミナーは大盛況となった

11月4日、エチオピアの首都アディスアベバで、約170社の現地企業経営者、国際機関および政府機関の関係者など計320人が参加した「第1回ナショナル・カイゼンセミナー」が開催されました。

「カイゼン」とは、日本企業で活用されてきた「みんなで職場を継続的に改善していこう」というボトムアップの活動です。今回のセミナーは、この「カイゼン」をエチオピアに根付かせて現地の民間企業の品質・生産性を向上させるべくJICAが開始した「品質・生産性向上計画調査(カイゼン・プロジェクト)」(2009〜2011年)のキックオフを兼ねて開催されたものです。

エチオピアのメレス・ゼナウィ首相は、自国のさらなる発展のためアジアの経験を学ぼうと、これまでもJICAとさまざまな場面において意見交換を重ねており、「カイゼン・プロジェクト」もその中から生まれました。メレス首相は、プロジェクト遂行のために召集した10人から成るカイゼン部を貿易産業省内に設置。同部は6人のJICAカイゼン・プロジェクトチームと共に活動を行っています。

プロジェクトでは、(1)エチオピア国内の企業、30社を対象とした個別の診断・指導を行う「カイゼン・パイロット」を実施、(2)その結果を反映させたエチオピア版「カイゼン」普及に取り組むための国家計画を策定、(3)「カイゼン」を継続的に進める上で必要な人材の育成や「カイゼン」の普及活動など、広範な取り組みを行います。

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右からゲタフン・タデッセ貿易産業省カイゼン部長、ハイレ貿易産業省国務大臣、駒野在エチオピア日本大使、島田JICA産業開発部貿易・投資・観光課長

「第1回ナショナル・カイゼンセミナー」は、駒野欽一在エチオピア日本大使とハイレ・タデッセ・エチオピア工業担当国務大臣のあいさつで始まり、次いで、JICA産業開発部の島田剛貿易・投資・観光課長が、エチオピアの産業開発の方向性と、「カイゼン・プロジェクト」の位置付けについて紹介しました。その後、政策研究大学院大学(GRIPS)の大塚啓二郎、園部哲史両教授が、東アジアやアフリカでの事例を交えながら、カイゼンとは何かを、産業クラスター(注)との関係と共に紹介しました。さらに、JICAカイゼン・プロジェクトチームの鹿子木(かのこぎ)基員(もとかず)総括から、プロジェクトの内容が紹介されると、集まった企業経営者たちは、熱心に聞き入っていました。

セミナーに参加した170社のうち、約8割の企業から「カイゼン・パイロット」に参加したいとの要望が出されており、12月末までに、その中から30社を選定していく予定です。

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駒野大使(左)、鹿子木総括(中)の報告を熱心に聴くメレス首相

セミナーの翌日には、「カイゼン・プロジェクト」の日本側関係者がメレス首相と1時間弱にわたって会談を行い、プロジェクトが順調なスタートを切ったことを報告しました。メレス首相は、「これを機会に、企業のみならず私自身もエチオピアでの『カイゼン』の第1期生徒として学んでいく覚悟である」と意気込みを語り、プロジェクトメンバーを激励しました。

産業開発部 貿易・投資・観光課


(注)一つの地域に、同業種・関連業種の企業が集まって立地する状態を指す。例えば、東大阪の機械金属業など。