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コミュニティの力を生かしてごみ問題に取り組む(フィジー)

−国際労働機関と連携してワークショップを開催−

2010年03月24日

「地上の楽園」と呼ばれることも多い大洋州の国々。生活物資のほとんどを輸入に頼るこれらの島国では、消費された後に発生するさまざまなごみがきちんと処理されないまま国内にとどまり、悪臭や害虫、汚水、自然発火など衛生面の問題を引き起こしています。日本から多くの観光客が訪れるフィジーも、例外ではありません。

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チェックリストを手に現場を視察。優良事例を参加者全員で探した

フィジーの「ごみ処理問題」を解決するため、JICAは2008年10月から「廃棄物減量化・資源化プロジェクト」(〜2012年3月)を実施しています。3R(Reduce:廃棄物発生抑制、Reuse:再使用、Recycle:再資源化)の普及を目的としたこのプロジェクトでは、化学物質や粉じん、機械的な事故など、安全確保が求められるごみ収集現場の労働者の労働環境改善についても検討してきました。

3月4〜5日、プロジェクトは、現場を巻き込んだ参加型の労働安全衛生活動の豊富な経験を持つ国際労働機関(ILO:International Labour Organization)と連携して、「労働安全衛生に関するワークショップ」を開催しました。

これまで行ってきた同機関との連携活動では、ILOアジア太平洋地域総局の川上剛上級専門家とトン・タット・カイ専門家(共に労働安全衛生分野)を、観光地として名高いラウトカ市とナンディ町に招き、現地で活動しているプロジェクト関係者や地元住民、民間のごみ収集会社と共に、ごみ収集・運搬作業従事者の労働安全衛生に関する現地調査を行ってきました。

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立場の違うワークショップ参加者が、それぞれの視点から熱く議論した

今年度の連携活動の最終回となる今回のワークショップでは、ラウトカ市役所・ナンディ町職員、地域住民、ごみ収集会社社員が、市内のごみ収集現場を2日間にわたって視察。チェックリストを使ってごみ収集に携わる労働者の労働安全衛生面の観察を行い、気付いた点を抽出して、グループディスカッションにより優良事例を選びました。さらにワークショップの参加者が、その優良事例をそれぞれの組織に持ち帰り、今後どのように広げていくのか、また、その際に注意すべき点までを含めて、実践的な議論を行いました。

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市場のごみ箱。取っ手が付いているので、運びやすく収集の効率が上がる

今回のワークショップで注目されたのは、市場にあったごみ箱です。ごみ箱にふたが付いているだけではなく、楽に持ち運べるよう「取っ手」も付いているものでした。「このような小さな工夫がごみ収集の効率化や、労働者の労働環境改善につながる。今後も積極的にこうした工夫を取り入れ、広めていく必要がある」と、参加した住民は語りました。

「トップダウンの取り組みではなく、これまで現場で実施されていることの中から、住民も含んだ関係者で優良事例を『発見』し、それを広げていくボトムアップの取り組みが大切」と川上専門家は強調しています。「今回のセミナーを通して、多くの関係者とごみ分別や収集現場の環境について話し合うことができ、非常に参考になった。今後は、住民と一緒に廃棄物管理分野の労働環境について考えていきたい」というラウトカ市保健部のシャレンド・プレム・シン氏のあいさつで、ワークショップは幕を閉じました。

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家庭から出たリサイクルごみの内容を確認する市職員

「廃棄物減量化・資源化プロジェクト」は、今回ワークショップを行ったラウトカ市とナンディ町の二つの自治体で活動しています。今後、3Rの取り組みを両都市全域に広げていく際に、重要な役割を担うごみ収集に携わる労働者の安全衛生の確保のために、今回のセミナーを含め、これまでに実施した連携活動の成果を生かし、さらに状況の改善を進めていきます。

JICAが1995年度以降全世界で実施してきた廃棄物管理支援プロジェクトは、67ヵ国で90件。今後も、特に大洋州地域ではフィジーのような支援を拡大していく予定で、ILOとの連携もさらに強化していきたいと考えています。

地球環境部 環境管理グループ 環境管理第一課