グローバルフェスタJAPAN2012開催

−よりよい未来のために、私たちにできること−

2012年10月10日

国内最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN2012」が10月6、7日の両日、外務省、JICA、国際協力NGOセンター(JANIC)の共催により、東京都千代田区の日比谷公園で開かれた。今年は「Think Global, Think Green 世界を変えよう。未来をつくろう。」をテーマに、NGO、国際機関、各国大使館、一般企業など、273の団体が出展。メーンステージやサブステージではさまざまなプログラムが繰り広げられ、約10万人の来場者でにぎわった。

国際協力を身近なものとして考える

クイズで全問正解し、記念品を受け取る来場者(左)

JICAは四つのブースを出展。「JICAコーナー」では、「JICAのビジョンは『すべての人々が恩恵を受ける○○○な開発』。○○○に入る言葉は?」「アフリカで5歳まで生きられない子どもの数は、1,000人中何人?」といったクイズを出題したほか、JICAが開発途上国で取り組む事業や日本と世界のかかわりをパネルで紹介した。

隣のブースでは、JICA、国連開発計画(UNDP)、JANICが立ち上げた「なんとかしなきゃ!プロジェクト」が、プロジェクトに参加している著名人の活動を紹介。「なんとかしなきゃ!」の寄せ書きボードには、「子どもたちを笑顔に」「世界が平和になりますように」「世界中の子どもたちが学校に通えるように」など、多くのメッセージカードが張り付けられた。また、「JICAfe−国際協力なんでも相談コーナー−」には、国際協力関連の職業を目指す学生や社会人が相談に訪れ、JICA職員や青年海外協力隊のOB・OGのアドバイスに熱心に耳を傾けていた。

なんとかしなきゃ!プロジェクトの寄せ書きボードには、世界平和への思いを込めた多くのメッセージが集まった

「外務省・JICA国際協力ライブ」は、国際協力や政府開発援助(ODA)に関するイベントや座談会を通して、現場の生の声を伝えるブース。7日には、2011年にスタートした「MUJI×JICAプロジェクト−クリスマスギフトで村おこし」を紹介した。これは、JICAが一村一品運動(注1)を通じて支援しているケニアやキルギスの商品を、株式会社良品計画が展開する「無印良品」の店舗で取り扱うという試みで、良品計画が商品の企画や品質管理にかかわることで、生産者のレベルが着実にアップしていることなどを報告した。2年目の今年は、クリスマス商戦に向けて11月29日から販売を開始することも発表した(注2)。

押切もえさんがブータンのエコライフを報告

ブータンで見聞きした、エコな暮らしや日本とのつながりを紹介する押切もえさん

メーンステージでは6日、「なんとかしなきゃ!プロジェクト」のメンバーで、モデルの押切もえさんによるトークショー「押切もえが見つけた絆−ブータンの人びととエコライフ」が行われた。押切さんは、農業技術指導者としてブータンの農業発展に貢献し外国人で唯一、最高の人の意を示す「ダショー」の称号を持つ西岡京治さん(故人)をはじめ、昨年10月に電気が通ったばかりのポブジカ村、日本の支援で建てられた学校など、今年6月に視察したブータンのエコな暮らしや日本とのきずなを報告。また、国王夫妻と面会したことにも触れ、「面会の後、首都ティンプーの街中を自転車で走っている国王陛下を見て感激した」と振り返った。

トークショーは、「なんとかしなきゃ!プロジェクト」のメンバーで、フリーキャスターの伊藤聡子さんが司会を務め、日本環境教育フォーラム(JEEF)の田儀(たぎ)耕司さんと、JICA農村開発部で南アジア地域を担当する大島歩課長も出席。田儀さんは「ポブジカ村では、渡り鳥のために、予算と時間をかけて電線を地下に埋設した」と、環境保全に対するブータン人の意識の高さを紹介。大島課長は「地方から都会へと若者が流入し、ごみ問題など環境の悪化が社会問題となっている」と、都市が抱える新たな課題に触れた。押切さんは「多少不便でも自然や文化を守ろうとする気持ち、電気を大切に使う姿から、学ぶことがたくさんあった。皆さんも、まずは知るところから国際協力を始めては」と会場に呼びかけた。

7日のメーンステージのプログラム「世界を変えるスポーツの力」には、元Jリーガーで、JICAオフィシャルサポーターの北澤豪さんが参加。JICAのボランティア経験者など、世界各地でスポーツを通じた国際協力を行ってきた人たちと、スポーツの持つ力について話し合った。北澤さんは、「スポーツを通して、目標、目的に到達するためのスキルを身につけてほしい。それは生きる力、さらには自分の国をなんとかしていこうという気持ちにもつながるはず」と、熱いメッセージを送った。

世界とつながり、世界を変える

7日のメーンステージの締めくくりは、医師で、NPO法人「地球のステージ」の代表理事、桑山紀彦さんの歌と語り、そして映像によるライブパフォーマンス「つながろう、地球の未来」編。桑山さんは医師として、これまで、東ティモールやパレスチナで医療支援活動を、スマトラ沖大地震・インド洋津波の際には、被災地のスリランカで救援活動を行ってきた。また、東日本大震災では、宮城県名取市で自ら被災しながらも救援活動や診療を続けてきた。

ステージでは、ケニアで出会ったマサイ族の若きリーダーや、東ティモールのへき地で医療に従事する女性医師、青年海外協力隊員らを紹介するとともに、温暖化による気候の変化により、彼らの生活が脅かされていることを伝えた。また、震災後、精神科医として、心のケアに当たっている名取市の子どもたちについても紹介。「ジオラマを制作することで自分たちが生きてきた土台を確かめることができ、心の傷を癒し、未来に向かって自由な心を取り戻している」と、子どもたちの未来へ思いを寄せた。さらに、「私は被災地で国際協力に救われた。見て見ぬふりをしないことが、日本を、そして世界を変えていく原動力になる」と訴えた。

環境保全について、それぞれの立場で実践できる取り組みについて議論したトークセッション

ライブの後は、桑山さんの司会進行で、環境や自然をテーマにトークセッションを開催。UCC上島珈琲株式会社マーケティング本部の中嶋弘光さん、公益財団法人オイスカ総務部広報室長の林久美子さん、國學院大学の学生で、JICA国際協力レポーターの佐藤眞梨さんが参加し、企業、NGO、個人、それぞれが、どのように環境保全に取り組むべきかについて、意見を交わした。最後に桑山さんが「一人ひとりの小さな取り組みが、世界とつながり、世界を変えていく。日ごろの小さな取り組みを、国際協力の身近な入口としてほしい」と、一歩踏み出すことの大切さを訴えた。



(注1)1979年に当時の平松守彦大分県知事(現・大分一村一品国際交流推進協会理事長)が提唱した運動。それぞれの地域の特産物を生かして国内外に通用する商品を作り上げることで、住民による地域活性化を目指す。

(注2)数量限定での販売。なお、ネットストアでは11月上旬から先行発売の予定。

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