COP18で気候変動対策支援の成果を共有(カタール)

2012年12月5日

本会議場では、新たな国際枠組みなどに関する議論が行われている

気候変動対策の国際枠組みなどについて話し合う「国連気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)」が、11月26日〜12月7日、カタールのドーハで開催中だ。会議では、2020年に発効予定の温室効果ガス排出削減に関する新たな国際枠組みの構築や、2013年以降の京都議定書第2約束期間の在り方、「緑の気候基金」(注)を通じた先進国から開発途上国への技術・資金支援の枠組みに関する議論が行われている。

JICAは、途上国政府や国際機関、日本の関係機関とのサイドイベントの共催などを通じ、途上国の低炭素成長、気候変動の影響に適応できる社会の実現に向けた支援を紹介するとともに、その際の課題や今後の支援の方向性などについて、各国の参加者と議論を交わしている。

アジアの事例を通し取り組みをアピール

ベトナムの気候変動戦略を紹介する天然資源環境省国際協力局のグウェン・ハック・ヒュー副局長(右端)。中央はハー局長

ベトナムでは、経済成長に伴い温室効果ガスの排出が急増している。また、長い海岸線、広いデルタ地帯があるため、海面上昇の影響を受けやすく、気候変動による自然災害に脆弱な国でもある。ベトナム政府は、これらの問題に対処するため「気候変動対策にかかる国家目標プログラム」を実施している。

COP初日の11月26日、ベトナム政府が、JICAをはじめとする日本の関係機関とサイドイベントを共催し、ベトナムで実施中の取り組みを、広く国際社会と共有した。ベトナム天然資源環境省のチャン・ティ・ミン・ハー国際協力局長は「日本をはじめとする各国ドナーの支援を通じ、これまでにさまざまな気候変動への対応策を立案、推進してきた」と、ドナーと共に気候変動をめぐる課題に取り組んでいることを紹介。円借款が適用されている「気候変動対策支援プログラム」など、JICAの多くの支援に対して謝辞を述べた。

パネリストとして参加したJICA地球環境部気候変動対策室の稲田恭輔副室長(右から4人目)

11月30日には、独立行政法人国立環境研究所とマレーシア工科大学主催のサイドイベントが開催された。イベントでは、JICAが支援する「アジア地域の低炭素社会シナリオの開発」プロジェクトを通じ、両国の大学・研究機関が、マレーシアのイスカンダル開発庁と共同で作成した、2025年に向けたジョホール州イスカンダル地域の低炭素社会ブループリント(実行計画)が紹介された。イスカンダル開発庁のイスマイル・イブラヒム長官は、「低炭素社会ブループリント作成を契機に、イスカンダル地域が世界の低炭素成長を牽引していきたい」と、意気込みを語った。

JICAは、「東アジア低炭素成長ナレッジ・プラットフォーム」など、途上国の低炭素社会構築に向けた多様なイニシアチブを推進しており、イベントにパネリストとして参加し、科学的知見を活用した低炭素型投資の事例などを紹介した。

気候変動適応策などを包括的に考える

後半のパネルセッションで、適応策推進のための資金支援拡大に対する期待を述べるパネリストたち

12月1、2日には、JICAの支援の下で国際赤十字赤新月社連盟気候センターなどが、途上国開発と気候変動適応に関するサイドイベントを開催。途上国の気候変動交渉官から先進国のNGO代表まで幅広い立場の80人余りが参加して、活発な議論を交わした。イベントには参加型ゲームの手法が取り入れられ、適応策に関する投資決定が及ぼす影響などを、参加者が身をもって考える場となった。

JICAは、適応分野での自らの取り組みを紹介し、COP18に期待する成果として、途上国が進める既存の適応戦略やドナーの適応政策での気候科学の活用、脆弱性の評価や適応計画策定の改善のためにフィードバックがなされることを挙げた。


(注)2011年のCOP17で承認された途上国支援のための資金管理システム。