所長あいさつ

JICAベトナム事務所 菅野新所長からのご挨拶

2023年3月1日より国際協力機構(JICA)のベトナム事務所長に着任した菅野 祐一と申します。

ベトナムへの赴任は今回で2回目になり、最初の赴任は20年以上前の1999年から2002年の約3年間でした。当時は、交通・都市開発分野における技術協力プロジェクトに携わっており、こうして再度ベトナムで働けることを大変うれしく思っています。

JICAは日本のODA(政府開発援助)実施機関であり、なかでもベトナム事務所はJICA在外事務所の中でトップ5に入る事業規模を誇っています。現在、教育、保健、交通、エネルギー、農業など様々な分野で100以上のプロジェクトが実施されています。

【画像】

日本の対越ODA協力30周年の2022年に続き、2023年は日越外交関係樹立50周年を迎える記念すべき年です。両国の強固な関係とベトナムの発展における日本の貢献を振り返る、重要な節目に所長として就任できたことは、とても幸運です。

ここで、今後のベトナムでの協力計画について少し触れたいと思います。

ベトナム経済はCOVID-19の流行から回復していますが、回復後の経済成長を確実にしていくためには社会インフラ整備が非常に重要です。JICAはこれまで、インフラの計画からハード整備までの一貫した協力のみならず、運営維持のための人材育成といったソフト協力まで、中長期的な視点をもってベトナムの発展に協力してきており、今後もこれを継続していきます。

同時に、経済成長の恩恵を受けられない人々のグループを最小限にすることも重要です。そのために、農村開発、保健、教育など、ベトナムの人々に直接的な恩恵をもたらす分野で、幅広く協力していきたいと考えています。

また、現在、多くの日本の民間企業や地方自治体、NGO・NPO機関からベトナムに、高い関心が寄せられています。JICAは政府機関のみならず、これらの団体の経験、知識、技術をベトナムの発展のため最大限に生かせる協力事業を実施し、多くの日本人が参加できる機会を引き続き提供していきます。

ノイバイ空港から市内に向かう途中、美しいニャッタン橋(日越友好橋)を渡り、道を埋め尽くす車やバイクを見て、ベトナムは大きな変化を遂げていることを実感しました。この国の持つポテンシャル及び活力と日本の知識・経験が融合することで、日越両国とASEANのさらなる飛躍が促進されると信じています。

今後、JICAはベトナムの長期的な開発目標を実現するため、カウンターパート及び関係機関と緊密に連携しながら事業に取り組みます。私自身もベトナム事務所の代表として、日越両国のパートナーシップ強化に尽力したいと思います。

JICAベトナム事務所長 菅野祐一