

青年海外協力隊の日本語教師に求められる条件を四つほどあげてみます。これから応募なさる方々にとって、いくらかでも参考になれば幸いです。
これは専門分野として職種がある以上当然でしょう。無意識に習得した母語としての日本語が、いざ説明しようと思うとうまく説明できない、そんな自覚があってこそ本格的な勉強が始められるのかもしれません。
たとえば、「雨が降ったら」「雨が降れば」「雨が降ると」「雨が降るなら」の違いや、「雨が降るらしい」「雨が降るようだ」「雨が降るみたいだ」「雨が降りそうだ」「雨が降るそうだ」の違いを確認してみるなどの勉強は大切です。また、発音や会話の指導法、ニーズ分析やコースデザインの方法なども、日本語教 師の技能として重要です。
青年海外協力隊の日本語教師は、以下のいずれかの資格要件(日本語教授法)を満たしていることが望ましいです。
※日本語教師養成講座420時間は、通学制コースが一般的です。通信講座修了者も「日本語教授法の一定の知識を有するもの」とみなしますが、通信講座のほとんどは実習がないため、日本語教授経験の有無がより重要となってきます。
日本語教授法を勉強して得た専門的な知識や技能を、実際の教室で日本語を学ぶ外国人と接しつつ深めることができたら申し分ないでしょう。地域の日本語教室などにボランティアとして参加し(マンツーマン形式でない授業の経験が望ましい)、実際に学習者に接し、日本語教師としての経験を積んでください。
日本語教師の場合、自分の書いた文字や文章、話したことばが外国人学習者のモデルになります。これは宿命です。
応募者調書では、内容だけでなく、適切な表記法や語の選び方、整理された記述法などが問題になるでしょう。たとえば、改行1字下げの段落で文章が構成されていなかったり誤字が多く表記が乱暴だったりして調書が読みにくいなどは、日本語教師の基礎的条件を満たしていないと判断されるかもしれません。
一次のWeb試験では、主として日本語教育に関する知識・技能が問われます。単なる試験合格のための準備というより、学習者や現地のノンネイティブの日本語の先生に質問されたときなどに、わかりやすく的確に説明するために必要な準備であることを意識してください。
二次の面接試験では、内容のほかに、過不足のない説明のし方や豊かな音声表現力などが問題になるでしょう。たとえば、面接官が、発音が不明瞭で聞き取りにくい、話が整理されていないなどで理解しにくいと感じるようでは、やはり、日本語教師としての努力が足りないと考えられます。
文章表現力にしても口頭表現力にしても、日ごろから自分自身の日本語を磨く地味な努力が不可欠だといえるでしょう。
『クロスロード』などは、バックナンバーを含めて、ぜひとも目を通していただきたいものです。いかに効果的に日本語を教えるかに心を砕くだけでなく、日本語を習うことがその外国人の“幸福”や“心の安らぎ”にどう関係するかについても問いつづけてください。今日、日本国内に多い日本語学習者は外国人労働者や中国帰国者の人々です。助けを必要としているかもしれない外国人との交流を、協力隊に合格して赴任したときに始めるのではなく、今から大切にしてください。そして彼らから、多くを学んでください。