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北岡理事長がコロンビア大学のジェフリー・サックス教授と会談

2020年5月13日

北岡伸一JICA理事長は、5月13日、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授とオンラインで会談しました。

冒頭、北岡理事長は、我が国における新型コロナウィルスの感染状況や政府の対策を説明しました。これに対し、サックス教授は、アメリカをはじめとする先進諸国やアフリカ、ラテンアメリカ、南アジアなどの地域の深刻で不安定な状況への懸念を示すとともに、東アジアやASEAN地域の多くの国は相対的に安定していると指摘し、この地域の経済社会が力強く復活することが世界にとっても重要であると述べました。

北岡理事長は、今回のコロナ危機が歴史的に重大な転換点になりうるとし、今後は新たな国際協力体制が不可欠であると指摘したうえで、この危機の本質について理解し、国際協力のあり方を具体的に検討するために、国内外の識者の協力を得て、「ポスト・コロナの世界における国際協力」について研究を進める考えを説明しました。サックス教授にも参画を求めたところ、同教授はこれを快諾しました。

さらに両者は、「コロナ後の世界」におけるグローバル化の展望、中国やアメリカのような大国の望ましい役割、開発協力機関のあり方などについて意見交換し、サックス教授からは、今後、JICAが行っているような開発協力が更に重要になるとの指摘がありました。また、サックス教授から保健分野における日中間での協力についての可能性を問われたことに対し、北岡理事長からは、当該分野での中国の対外政策が開発途上国からの信頼を得られるものか、開発援助の実施機関として、注視したいと述べました。

JICAは、コロナ危機による国内外の関係者の安全確保に最大限努めつつ、引き続き開発途上地域における感染被害の最小化に取り組み、「コロナ後の世界」を見据えた国際協力のあり方の検討を不断に行っていきます。