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コロナ危機は世界史における重要な転換点-北岡理事長が政策研究大学院大学の田中明彦学長(前JICA理事長)と対話-

2020年5月28日

北岡伸一JICA理事長は、5月28日、政策研究大学院大学の田中明彦学長とオンラインで対話を行いました。これは、JICAが立ち上げた「ポスト・コロナの世界における国際協力」研究の一環として、北岡理事長と内外の有識者が、対話を通じて今後の世界と国際協力のあり方への考察を深める取り組みです。

冒頭、北岡理事長は、コロナ危機は世界史における重要な転換点になりうるとの認識を示した上で、急激に変化する国際情勢の中で、我が国およびJICAは如何なる役割を果たしていくべきかを考えなくてはならないと述べました。

田中学長は、「ポスト・コロナの世界」は不確実性に満ちているが、①世界が深刻な不況になること、②米中対立が激化すること、③SDGsの達成が困難になりつつあること、の3点は確実だと指摘しました。そのうえで、これまでのところ被害が少なかった日本は、世界の中で相対的に有利な地位にあり、JICAの役割はますます重要になると指摘。また、等しくコロナ禍の被害者となった世界各国が緊密に協力する必要性を訴えていくことが重要だと強調しました。

さらに両者は、政治体制の違いとコロナ危機対応の関係、「ポスト・コロナの世界」におけるグローバル経済のあり方や中国による対外援助の動向等について意見交換を行いました。

新型コロナウイルスの感染拡大により、経済水準に関わらず世界各国がこれまで経験したことのない危機に直面し、どの国も試行錯誤で対応するなか、国際協力を通じて透明性の高い情報、経験・教訓を共有し合うことが、よりよい世界の再建につながることを改めて確認した対話となりました。