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保健・医療分野の支援強化による国際協調の再構築を -北岡理事長がジョンズ・ホプキンス大学のケント・カルダー教授と対談-

2020年8月25日

北岡伸一JICA理事長は、8月25日、ジョンズ・ホプキンス大学のケント・カルダー教授(ライシャワー東アジア研究センター所長)とオンラインで対談しました。これは、JICAが立ち上げた「ポスト・コロナの世界における国際協力」研究の一環として、北岡理事長と国内外の有識者が、対話を通じて今後の世界と国際協力のあり方への考察を深める取り組みです。

冒頭、北岡理事長は、本研究会の主題である、コロナ危機の教訓は何か、「ポスト・コロナの世界」がどうなるのか、日本・JICAはより良き世界の構築のためにどう貢献すべきかについて、国際政治や地政学的な観点から伺いたいと述べ、カルダー教授からのプレゼンテーションを促しました。

カルダー教授は、ライシャワー東アジア研究センターがとりまとめた東アジアにおけるコロナ対応に関する分析結果を紹介しつつ、自著『スーパー大陸』で示したとおり、中国とロシア、中東欧地域の国々との関係が深まっていることなど、国際関係における変化も指摘しました。さらに、カルダー教授は米国国内の政治情勢に触れながら、国際協調の再構築への課題を提示しました。

北岡理事長は、アジア、アフリカをはじめとした開発途上国への新型コロナウイルス感染拡大の影響や課題、今後の展望、保健医療分野や手洗いなどの予防も含めたコロナ対策のためのJICAの取り組みを紹介しました。これに対してカルダー教授は、日本・JICAによる保健医療分野における国際協力の重要性に賛同し、さらに米国を含む他国との連携の可能性も示唆しました。

このほか、出席者との意見交換の中では、カルダー教授から、開発途上国の大学との対話を通じて日本への理解を促進するなど、知的交流の重要性が指摘され、北岡理事長もこれに同意し、現在JICAが取り組んでいる留学生の支援や開発途上国の大学との交流について紹介しました。