現在の場所は

COVID-19における、大エジプト博物館プロジェクトの進展を確認

2020年8月25日

JICAエジプト事務所
所長 大村佳史

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8月6日、在エジプト日本大使館能化大使とともに、大エジプト博物館(GEM)を訪問し、プロジェクト責任者と意見交換しました。COVID-19は建設工事や展示などに一時影響を与えましたが、以降、関係者の尽力により、開館に向けた作業が着実に進展していること、そして日本とエジプトとの今後の協力について議論をしました。

大エジプト博物館は、単一文明を紹介する、世界最大の考古学博物館です。ギザの三大ピラミッドを見渡す東京ディズニーランド並みの広大な敷地に、教育・娯楽施設及び会議場やホテル等を含む総合コンプレックスの基幹として建設されます。ツタンカーメン墓からの全出土品を含む、エジプトの古代文明を総合的に紹介するもので、世界文明に対する貢献としても期待されています。観光立国のエジプトの切り札となる開発プロジェクトで、日本は円借款による博物館の建設資金への協力の他、ツタンカーメンコレクションを含む遺物の保存修復や博物館の運営への技術協力を実施しています。吉村作治教授(東日本国際大学学長、早稲田大学名誉教授)のチームが手掛けるクフ王の「第二の太陽の船」発掘・修復プロジェクトも敷地内で展示される予定です。

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大エジプト博物館エントランスのラムセス2世像

現在、館内は非公開ですので詳しく紹介できませんが、内装工事が大詰めで、息をのむような大型の展示物が次々と持ち込まれ、また、多数の展示物のためのショーケースが設置されつつありました。

来年の開館を目指して引き続き協力していきます。その際には、世界中の旅行者、さらには多くの日本の方々が訪れ、また、将来に続く日本の協力の象徴となることを期待しています。

なお、ちょうど、CNNからの取材もあり、日本の円借款による資金協力による博物館の建設の進捗や、日本人専門家の参画による技術協力によるツタンカーメンコレクションの修復支援などが動画で紹介されています。

日本の和紙を使った保存修復の提案が採用されたことや、エジプト人の保存修復士の育成が進んでいることも紹介されており、うれしくなりますね。開館を楽しみにお待ちください。

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大エジプト博物館の外観

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大エジプト博物館の外観