教育だより第32号(2021年6月発行)より
南アフリカ共和国「技能工育成のための職業訓練校能力強化プロジェクト」では、国内の製造業で汎用性の高い組立・旋盤分野の技能工を産業界に供給することを目標に、2018年より現地の職業訓練校の能力強化のために協力を実施しています。2020年9月以降、、ソフトスキルをテーマにした遠隔研修を実施しています。
本プロジェクトでは、専門家の支援のもと、組立・旋盤分野の教材作成、教員への技術移転、インターンシップや就職支援体制の充実に加え、ソフトスキルの強化にも力を入れています。ソフトスキルとは、5S・カイゼンをはじめ、コミュニケーションやチームワークの能力、安全意識、時間管理、しつけといった、組立・旋盤分野に限らず製造工程の効率性や生産性の向上に関わるスキルで、昨今、教育分野全般で注目されています。本プロジェクトにおいても、ソフトスキルは優秀な技能工の育成にあたり大切な要素であると位置づけられています。
新型コロナウイルスの影響のため、専門家が現地に渡航ができない状況が続いていますが、プロジェクトでは、現地の職業訓練校とZoomで繋いで、ソフトスキルの遠隔研修を継続的に実施してきました。遠隔研修では、専門家による座学の講義だけでなく、事前学習のための動画作成や、ハンズオン教材を通じて講義で学んだ概念を実践できるアクティビティやグループワークも適宜導入することで、参加者にとって学びがより深まるように配慮されたコンテンツの提供を心掛けており、カウンターパートにも満足してもらっています。
南アフリカは変異株の影響もあり、対面訓練の全面的な再開にはまだまだ難しい状況が続いています。一日でも早く、プロジェクトチームが現地で顔を合わせて研修ができるようになることを皆で待ち望み、遠隔研修を継続していきます。