(日)南ブラジル小規模園芸研究計画
(英)Project on Small-Scale Horticulture in Southern Brazil
1960年代後半より、ブラジル連邦共和国政府はリンゴの国産化を国家的事業として、その生産振興を図っている。同国南部は唯一の寒冷地帯に属し、リンゴに加え、ナシ等の温帯果樹栽培に多くの日系農家が従事しており、基幹産業の1つとして位置づけられている。
しかしながら、いまだ温帯果樹栽培に係る様々な技術的問題(品種や台木の選定、施肥技術、栽培技術、病虫害対策)を抱えている。当地域の試験場はこれらの問題を解決するための十分な研究能力を有しておらず、研究体制の整備が緊急の課題とされている。さらに、1994年12月31日に南米南部共同市場(MERCOSUR)が発足したことに伴い、温帯果樹分野では南米の先進国であるアルゼンティンやウルグアイとの直接的な競争にさらされることになり、安定生産及び品質向上に向けた技術向上が急務となっている。
このような状況の下、我が国に対し、サンタカタリーナ州農牧研究普及公社(Epagri)のリンゴ、ニホンナシに関する研究能力の強化を図るためのプロジェクト方式技術協力の要請があった。
南ブラジルにおける園芸作物のための適正栽培技術が開発・紹介され、小規模園芸農家の営農改善に貢献する。
Epagriにおけるリンゴとニホンナシの栽培技術開発に関する研究普及活動が強化される。
1-1.品種及び台木の南ブラジルにおける適応性評価
1-2.病害抵抗性品種及び台木の選抜
2-1.栽培及び仕立て法の開発
2-2.収穫・貯蔵技術の開発
3-1.主要病害虫の診断及び同定
3-2.主要病害虫の防除法の確立
3-3.ウイルスフリー化技術の開発
4-1.南ブラジルにおける土壌・施肥管理方式の開発
4-2.生理障害発生の実態と要因の検討
1-1.当該計画を通じて開発された技術・知見が小規模園芸農家に普及される。
a)園芸研究者、技術者、普及員及び先導的農家を対象とする技術セミナーの開催、並びに技術情報誌の制作
b)視聴覚教材の制作