JICAは「こどもの健康プロジェクト」、「母とこどもの健康プロジェクト」に続き、「妊産婦と子どもの栄養改善を含んだ母子保健プロジェクト」を開始しました。西部地域のキチェ県は36年続いた内戦の激戦地域であり、また先住民族が大多数を占め、全国的にも栄養失調率が高く、特に支援を要する地域と認識されています。
キチェ県において妊産婦と5歳児未満児の健康・栄養状態を改善することを目標とし、県内12市を対象としている同プロジェクトは、対象地域が広いこともありカスケード(滝)方式と呼ばれる手法で、出来るだけ多くの保健医療従事者に研修を行う努力をしています。医療従事者の技術力の向上だけでなく、妊婦が住むコミュニティのリーダーにも緊急時対応の研修を行い、行政、医療従事者、コミュニティが一体となって妊産婦と子どもを守る体制構築を目指しています。また、JICAボランティアも、プロジェクトの成果品である栄養カレンダーなどを使って、妊婦を自宅訪問し栄養指導を行うなど、オールJICAで取り組んでいます。
コミュニティに出ると、先住民族の方々はスペイン語ではなく現地語を使っているため、通訳を介しての栄養指導などを行っています。また、未舗装道路を延々と移動することも頻繁にあるため時間を要する活動ですが、徐々に変化が見え始めています。