2017年11月2日
2017年10月7日(土)、ハノイ経営塾クラブが主催する「第21回ビジネスフォローアップセミナー」が行われ、これまでの経営塾の塾生など30名以上が参加しました。
経営塾クラブとは、経営塾を修了したOG・OBからなる組織です。その活動の一環である「ビジネスフォローアップセミナー(以下BFS)」は経営塾で日本式のモノづくりや経営を学んだ企業が会場となり、講師やOG・OB、現役の塾生らが実際に生産工場を見学し、意見交換や経営塾に関する情報共有を通じて学びを深める場です。
Weldcom社の工場見学の様子
生産・販売管理についてティエン社長が説明する様子
今回のBFSは第9期経営塾のメンバーであるティエン社長が経営するWeldcom Industry.,JSCの生産工場を訪問しました。
Weldcom社は2005年に設立された溶接機械の技術サービス提供を行っている会社です。設立後急成長し、ベトナム国内に5拠点、中国の上海に1拠点を持つに至りました。近年では研究開発も行っており、既存の溶接・加工機械を改良し、販売活動も行っています。Weldcom社はMAKITAやBOSCHなど一流のメーカーと提携しています。
同社は社長だけでなく副社長も経営塾第9期のメンバーです。工場見学では、タオ副社長が、Weldcom社の溶接作業について説明し、「溶接作業はどうしても溶接場所のズレが生じてしまう。そのズレを放ったまま次の作業に移るとさらにズレが大きくなってしまうため、各段階でカメラチェックを行い溶接場所を決定している。」と語りました。
その後、タオ副社長から、「今日のBFSのテーマを経営とし、自社が抱える課題解決のヒントを探る場としたい。」と提案があり、続いてティエン社長から同社の課題について共有がありました。同社は現在2000もの代理店を抱えているため、代理店同士がぶつかってしまうことから、組織をまず地域で分けるか、機能で分けるか悩んでいるとのこと、また資金調達の手段として株式上場を検討しているとのことです。
課題に対して、多くの参加者から熱気を帯びたコメントがあり、「Weldcom社が抱えている問題は他の皆の会社の課題でもある。」とのコメントもありました。
コメントする戸田講師
長年経営塾で「経営」を教えている戸田講師は、これらの課題に関して、「3年後、5年後、10年後どういう会社にしたいのか考え、それに適した組織づくりをするべき。」とコメントしました。具体的には(1)製品販売を請け負う代理店は地域で分けること、(2)代理店の機能を十分に果たせる数まで減らす、または特別な顧客のみを取り扱う部門の設立等を挙げました。また、株式市場への上場に関しては、「いいとは思うが投機の対象ともなりやすいので、その点に留意すべき。」と語り、Weldcom社の社員の方々をはじめ、多くの経営塾クラブ生が真剣に戸田講師のアドバイスに耳を傾けていました。
工場見学の記念品
(経営塾第9期のロゴ入り)
これを受けて、ティエン社長は「塾生の皆さん、そして先生、VJCCにはとても感謝すると共に、第21回のBFSとしてこのような機会を設けていただいて光栄である。」と感謝の意を述べ、参加者から大きな拍手が送られました。
このように、経営塾クラブメンバーや戸田講師と課題を共有し、それに対してBFSに参加したすべての人々が共に課題について考え、議論する時間は貴重であるとともに、Weldcom社の経営塾や講師への信頼の強さがうかがわれました。
Weldcom Industry Joint Stock Companyの生産工場内で記念撮影