
「ジェンダーに基づく暴力(Gender Based Violence: GBV)」は、紛争影響下で最も多く見られる被害の一つです。GBVが起こるのは紛争前のその地域の状況に影響されることが多いものの、難民居住地の環境により事態が悪化することもあります。
そのため、より具体的な行動計画が求められ、これまでにGBVの予防、GBVからの保護や回復に向けた難民政策が打ち出されてきました。しかし、GBV被害者が助けを求める上での障壁はいまだに数多く存在しています。
JICA研究所では、研究プロジェクト「紛争とジェンダーに基づく暴力(GBV):被害者の救援要請と回復プロセスにおける援助の役割」を実施しています。その一環として行った現地調査から得られた知見を本報告書にまとめました。ウガンダに避難している南スーダンからの難民やGBV被害者の支援関係者などから集めた情報をもとに、暴力に対する難民の認識、彼らの救援要請プロセス、救援を求める上での障壁について取り上げています。また、支援側が直面している障壁や支援を届けるための改善点についても議論しています。