訓練生インタビューvol.16 ~2021年度3次隊 池田愛子さん~【言語化しにくい自分の価値観に気づくことができた】

【写真】池田 愛子 さん隊次:2021年度3次隊 派遣予定国:ガーナ 職種:PCインストラクター
池田 愛子 さん

JICA海外協力隊に参加した経緯を教えてください。

小学生の頃から途上国の現状を映像で見ると「自分も生まれた国が違えば、こうなっていたのか。自分は今の平穏な生活でいいのか」という罪悪感のような不思議な感覚を抱いていました。現地に住み、国際問題に対する改善や援助を行っている海外協力隊を知ってから、いつか参加したいなと思っていました。大学生の頃、サークル活動としてタイでボランティア活動をしていましたが、受け入れ側の負担が大きいという理由から失敗した経験がありました。大学卒業後の進路として国際協力の道に進むことも考えましたが「今のままではきっと同じ失敗をしてしまうだろう、一度社会に出て経験・スキルを身につけて海外協力隊に挑戦しよう」と思い直し、ある程度社会経験を経たこのタイミングで応募しました。

応募時に不安だったことは何ですか。

PCインストラクターという職種は、パソコンを教えるだけではなくパソコンの修理やメンテナンスも求められます。リペアの経験がないため不安でしたが、派遣前にパソコン修理等の技術研修があり、日本でできる準備をしながら派遣に備えたいと思います。
最後まで悩んだこととしては、職種選びです。過去の自分の経験や強みを棚卸し、どの職種が一番貢献できそうかという点で希望要請を選びました。

コロナ禍での派遣延期、不安だったことは何ですか。

協力隊参加が決定してから約2年待ちました。派遣時期が遅れることで自分自身のキャリアプランも大きく変わってしまう、次の道に行くか、協力隊に参加するかの決断で悩みました。しかし、昔からずっと協力隊への参加を一つの目標にしていたので、それが数年延びるだけで諦めてしまうような生半可な気持ちだったのかと自問自答しました。悩んだ結果、自分にとって譲れない人生の通過点であるという気持ちを再認識し、以降は待機時間をいかに有意義に使うかを前向きに考えられるようになりました。

駒ヶ根訓練所での訓練生活はどうですか。

【画像】語学授業が充実していることは大前提として、KTCゼミという全5回の任意講座がすごく楽しかったです。先輩隊員の事例をもとに「自分なら任地でどう行動するか」を考えることで、協力隊の活動を疑似体験するような内容でした。どういう行動をすればよかったのかは正解がないので十人十色の回答から学びも多く、また異文化コミュニケーションの難しさを自分事として捉えられる良い経験になりました。同期や先輩との対話を通し、自分でも気付いていないような価値観を言語化し、深めていくプロセスがとても面白かったです。

任国での活動、帰国後のキャリアプランを教えてください。

職業訓練校でパソコンの指導を行う予定です。授業内容の中でもベーシックな共通科目としてICT教育の授業を行うことになります。ガーナでは座学・板書中心の授業が多いと聞いています。座学の授業が多いが故に、パソコンの面白さや楽しさが伝わりにくいことが予想されるので、日々の生活に役立つようなスキルや工夫を教えたいと思います。現職参加をしているので、帰国後は会社に戻り、協力隊経験を活かして世界や日本の社会課題の解決に寄与できるような仕事をしていきたいと思います。