2020年3月4日
署名式の様子
国際協力機構(JICA)は、3月3日、アブジャにて、ナイジェリア連邦共和国政府との間で、「ナイジェリア疾病予防センターにおけるネットワーク検査室機能強化計画」を対象として20億500万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。
本案件は、ナイジェリア疾病予防センターが統括する計8つの公衆衛生検査室に対し、バイオセーフティ・レベル(BSL)2(注1)の封じ込め検査施設や機材の整備等を実施することにより、感染症サーベイランス機能体制の強化を図り、感染症アウトブレイクの早期検知及び拡大防止に寄与するものです(注2)。これにより、同国の包摂的かつ強靱な保健・医療システムの整備が期待され、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール3に貢献します(注3)。
(注1)バイオセーフティ・レベル(Biosafety Level:BSL):微生物・病原体等を扱う施設の格付け。1~4のレベルがあり、数字が大きいほど、リスクの高い病原体などを扱うことができる。
(注2)本案件に先行し、JICAは「ナイジェリア疾病予防センター診断能力強化計画」(2019年4月9日贈与契約締結)を通じて、アブジャにバイオセーフティ・レベル(BSL)3検査施設を建設中。
(注3) JICAはこれまでもビル&メリンダ・ゲイツ財団と連携した円借款「ポリオ撲滅事業」を通じて、ナイジェリアのポリオ早期撲滅取り組み、直近3年間での症例の発生報告数がゼロを記録するなど感染症対策で大きな成果を上げてきました。
案件の詳細は以下の通りです。
国名 | ナイジェリア連邦共和国 |
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案件名 | ナイジェリア疾病予防センターにおけるネットワーク検査室機能強化計画(The Project for Strengthening the Capacity of Network Laboratories of the Nigeria Centre for Disease Control ) |
実施予定期間 | 30ヵ月(詳細設計・入札期間含む) |
実施機関 | ナイジェリア連邦保健省/ナイジェリア疾病予防センター |
対象地域・施設 | 連邦首都区(アブジャ)、ラゴス州、エド州(イルア、ベニン)、エヌグ州、オヨ州(イバダン)、クワラ州(イロリン) |
具体的事業内容(予定) | 【施設】ラゴス州・中央公衆衛生検査室(CPHL):BSL-2検査室(ウイルス・細菌・寄生虫検査)、研修室建設等 【機材】細菌検査用機材、ウイルス検査用機材 【コンサルティングサービス】 詳細設計、入札補助、施工・調達監理。また、ソフトコンポーネントは対象8検査室への検査機材の運転・維持管理指導、CPHLへの空調換気設備指導、感染性廃棄物・排水処理管理指導。 |