2階ギャラリー「JICAプラザよこはま」では、JICA日系社会支援事業展示のほか、インスタレーション(注)作品、ぬり絵作品が展示されています。また、「トラベリング・アラウンド・ザ・ワールド」一連の作品群として、エントランスと列柱にも作品が描かれています。
(注)インスタレーション:場所や空間を含めひとつの作品とする表現手法
2階の常設展示ではJICAの日系社会支援事業を紹介しています。JICAは、主に中南米への移住者に対して、移住先国での定着と生活の安定を図るための支援を行ってきました。現在は、日系社会の世代交代による課題に対応するため、高齢者福祉や人材育成を中心とした支援、および近年では多文化共生に関する取り組みを実施しています。
1階の展示と同様dot architects(ドットアーキテクツ)が手掛けている本展示は、世界の大陸と海をモチーフとしてデザインされています。濃い青色や上部の水色は、港町である横浜と船で海外へと渡られた日本人移住者の方々をイメージし、海を想起させる色合いとしています。
藤浩志氏は、1980年代後半に青年海外協力隊の美術隊員としてパプアニューギニアに派遣され、その時の経験が源泉となり、国内外で精力的に展覧会やアートプロジェクトを手掛けているアーティストです。本作品は、中南米地域の日系人及び日系社会ボランティア等の関係者の方々から、移住地で遭遇した動植物や開拓時のエピソードを募集し、その情報をもとに、JICA横浜の2階に「移住地」を誕生させたものです。
移住当時の原生林に生息していたアリクイやアルマジロ、日本人移住地に今も生息するナマケモノやカピバラなどが出迎えます。参加型作品になっていますので、是非、作品スペースへお入りください。
イクタケマコト氏は、小学校教師を経て、現在は横浜を拠点に活動するイラストレーターです。広告や書籍、絵画などのイラストに加え、教科書の挿絵なども手掛けています。「日系移民の歩み」と名付けられた本作品は、日系移住の歴史や異国での生活の様子、文化などをリサーチし描かれたもので、ぬり絵を楽しみながら日系社会について知ることができる参加型作品です。作品の前に置かれた色ペンで壁の作品に直接色を塗ることができ、お持ち帰りいただける紙のぬり絵もご用意しています。
日本人移住者および日系人の方々の歴史や文化に触れてください。
2階エントランスのガラス面に展示されている本作品「大さん橋」は20世紀初頭の横浜大さん橋の風景と、実在した移民船「天洋丸」が描かれています。エントランスに向かって歩くことで、その時代の様子や日本人移住者の方の気持ちを連想していただけるよう意図した作品です。
吹き抜けに面する5つの柱に展示されている本作品は、笠戸丸、はわい丸など、日本から中南米、ハワイ、アメリカなど様々な国へと日本人移住者の方々を乗せて出航した7隻の実在した移民船が描かれています。
ご案内
場所:JICA横浜 2階ギャラリー
時間:10時から18時(入館は17時30分まで)
休館日:不定休