緒方理事長と東ティモール国連特別代表、国づくりの継続支援で一致

2007年9月14日

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アトゥール・カーレ国連事務総長特別代表(左)と緒方理事長

JICAの緒方貞子理事長は、9月6日、来日中のアトゥール・カーレ国連事務総長特別代表と会談し、東ティモールの国づくりに関する国際社会の継続した支援について協議しました。

2002年5月に独立を果たした東ティモールでは、昨年5月に大規模な騒擾が発生し、JICAも一時国外退避を余儀なくされるなど、国づくりの道のりは決して平坦ではありません。その中で、現地で、昨年8月から、国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)が展開されており、カーレ氏はその代表を務めています。

会談の中で、カーレ代表は、今年6月に実施された国民議会議員選挙が大きな混乱もなく平和裏に終了し、東ティモール国民もその結果を受け入れており、総じて成功であったと説明しました。また、日本政府が派遣した選挙監視団に、JICAからも上條哲也東ティモール事務所長が参加したことに謝意が示されました。

東ティモールでは、石油・天然ガスの開発により財政収支が改善する一方、行政の能力不足により、予算執行率が著しく低く、また、国内避難民や若者の失業者が数多くいるなど、安定した社会構築に向けた取り組みは道半ばとなっています。これを踏まえ、カーレ代表は、行政のキャパシティ・ディベロップメントが重要であり、公共事業を通じた経済の活性化が必要であるとの認識を示しました。

緒方理事長からは、来年10月には、技術協力、無償資金協力、有償資金協力を一体となった「新JICA」が誕生することを紹介、その中で、東ティモール政府が関心を示している円借款事業が開始されれば、相乗効果が期待できると説明しました。カーレ代表は、JICAが東ティモールで「農業・農村開発」、「インフラ復旧・整備」、「人材育成・制度づくり」、「平和の定着」の重点4分野を中心に協力を行っていること、また草の根技術協力を通じたコミュニティへの支援も行っていることについて、高く評価していると述べました。

またカーレ代表は、東ティモールでは、3,000件以上が裁判待ちの状況で、また昨年の騒擾により東西住民間での対立が発生しており、国民和解のためには、公正が担保された司法制度の充実が課題であると述べました。これに対し、緒方理事長は、復興期における公正の確保のあり方については困難が伴うことに理解を示し、自身の国連難民高等弁務官時代のルワンダでの好事例を紹介しました。