未来につながる支援に感謝 UNパレスチナ難民救済事業機関事務局長が緒方理事長を表敬

2007年10月9日

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カレン・コニング・アブザイドUNRWA事務局長

緒方貞子理事長は、10月5日、カレン・コニング・アブザイド国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長と会談し、パレスチナ難民への支援について話し合いました。

UNRWAはシリア、レバノン、ヨルダン、パレスチナのヨルダン川西岸地区とガザ地区の5ヵ所を活動地域とし440万人にものぼるパレスチナ難民に教育、医療、救済・社会サービスなどを提供している機関です。今回の来日は、中東情勢がめまぐるしく変化しパレスチナ難民を取り巻く状況が一段と厳しくなるなか、今後の支援について主要ドナーである日本政府関係者と話し合うことが目的です。

会談では、まず緒方理事長から、UNRWAがガザ地区など厳しい場所で活動を展開していることに敬意を示した後、現地の治安や政治状況について質問しました。アブザイド事務局長からは、治安状況は落ち着いてきているものの政治、社会、経済状況は依然として厳しく、継続した支援の重要性が強調されました。

JICAのパレスチナ難民に対する支援は、1993年のシリアとヨルダンのUNRWAの職業訓練学校での技術訓練に始まり、近年はシリアのUNRWA地区の小中学校に体育や音楽などを指導する青年海外協力隊員、シニア海外ボランティアを派遣しています。また、パレスチナのヨルダン川西岸地区で難民キャンプも含めて母子健康手帳の配布を行っています。

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アブザイド局長と会談する緒方理事長

アブザイド事務局長は、難民キャンプの子ども達と日本の子ども達が共同で描いた絵や、現地で開催された女子ソフトボール大会のポスターを持参し、緒方理事長に青年海外協力隊の活動のいい成果であると紹介しました。アブザイド局長は「運動や芸術など子ども達の情操教育までにUNRWAもなかなか手が回らない。子ども達は閉ざされた世界で暮らしているため、『自分たちは忘れられている』と思いがち。そんな子ども達にJICAの支援は『世界とつながっている』気持ちをもたせてくれる。未来につながる協力に感謝したい」と述べました。

今後、JICAはヨルダン川西岸地区での母子健康手帳配布の成果を受けて、ガザ地区でもUNRWAと連携して配布を行う予定です。会談では、こうした連携や、シリア、レバノン、ヨルダンでの活動拡大のあり方について、人間の安全保障の考えに基づいてどのように行っていくかが話題になりました。