来日中の各国首脳と理事長が個別会談

2008年5月30日

1.モザンビークのゲブーザ大統領との会談

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ゲブーザ大統領(モザンビーク)

TICAD IV出席のため来日したモザンビーク共和国のゲブーザ大統領と、緒方理事長は、5月28日、TICAD IV会場のパシフィコ横浜で会談を行いました。

JICAの道路建設協力に対して大統領から歓迎すると発言があり、また、コメをはじめとする食糧増産の重要性について意見が一致しました。特にコメ生産について理事長から、モザンビークでの生産倍増の達成がアフリカ全体のコメ生産倍増のカギになること、JICAはそれに向けた協力を行っていくことについて発言がありました。

モザンビークも気候変動により深刻な影響を受けているとして、ゲブーサ大統領から同国での施策について説明がありました。

小学校のカリキュラムに環境問題を含めていることに加え、生徒が一人ずつ自分の木を植えそれを育てる「One Student One Tree」、遠くまで薪を探しに行かなくてもすむようにするための「EachVillage Each Forest」など興味深い活動について大統領から紹介がありました。

理事長からは、これらの政策は非常に良い取り組みなので他の国にも是非紹介して欲しいこと、青年海外協力隊員との連携が可能と思われるとの発言がありました。

この他、モザンビークとベトナムとの南南協力、ハイテク技術、電力、ITなどの職業訓練の重要性、地域活性化の重要性などについて意見交換を行い、30分の会談を終えました。

2.マダガスカルのラヴァルマナナ大統領との会談

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ラヴァルマナナ大統領(マダガスカル)

大統領と理事長は、マダガスカルにおけるコメ生産の倍増、中等教育、日本留学奨学金などの話題や、港湾などインフラ整備に関して意見交換を行いました。

マダガスカル最大の貿易港であるトアマシナ港は、住友商事や王子製紙などのビジネスが活発化したこともあり、大統領から、同港がパンク状態にあるため一刻も早い拡張をお願いしたいと要望がありました。

これに対し理事長から、同港の拡張計画はJICA、JBIC、JETRO三者が連携して協力しており、また、官民連携という観点からも重要な計画であると述べました。

また、同大統領から、観光開発をするうえでも民間セクターを活性化するうえでも重要と、国際空港拡張について協力の要望がありました。

過去JICAが派遣していた大統領顧問の任にあたる専門家の後任についても要望があり、緒方理事長は検討したいと述べ会談を終えました。

3.ナイジェリアのジョナサン副大統領との会談

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ジョナサン副大統領(ナイジェリア)

ジョナサン副大統領と緒方理事長は、5月29日、TICAD IV会場のパシフィコ横浜で会談を行いました。

副大統領は、貧困削減のためのインフラ整備の重要性に言及し、日本による地方電化事業・深井戸建設・小学校建設の協力に対して感謝の言葉を述べました。また、地方部の電化には配電網整備に加えて太陽光発電も有効な手段と述べました。

緒方理事長は、JICAからナイジェリアに供与したソーラーパネルが住民によって適切に維持管理されていることに触れるとともに、気候変動問題への対応という観点からクリーンエネルギー利用の重要性に言及しました。

また、ナイジェリアは農業発展の可能性を有しているとの副大統領の言葉に対し、JICAはアフリカにおけるコメ生産倍増に向けた協力を他の機関との連携のもとで行う方針と緒方理事長は応え、30分程度の会談を終えました。

4.リベリアのサーリーフ大統領との会談

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サーリーフ大統領(リベリア)

TICAD IV出席のため来日したサーリーフ大統領と緒方理事長は、5月27日、TICAD IV会場のパシフィコ横浜で会談を行いました。

サ−リ−フ大統領は、同国では電力が需要の10%を満たしておらず、電力供給が住民の生活にとって重要で、民間セクターを呼び込むためにもインフラ整備が不可欠であり、世界銀行やアフリカ開発銀行の復旧支援だけでは不十分であるなど、リベリアが直面している問題に言及しました。

緒方理事長はこの点について、インフラ整備はTICAD IVの最重要課題のひとつであると同時に、元紛争国の経済成長加速化のために重要で、ODAでインフラを整備し、民間セクターがそれに続くということが期待されると述べました。

大統領はさらに、豊富な森林資源や天然ゴム農園がリベリアにはあると述べたのに対して、緒方理事長は、日本は多くの木材を輸入しているので日本のノウハウが活かせるのではないかと述べました。

最後に大統領から、来年リベリアで「女性のリーダーシップ・コロシアム」が開催されることについて紹介があり、緒方理事長に是非参加していただきたいと要望が述べられ会談を終了しました。

5.ルワンダのカガメ大統領との会談

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カガメ大統領(ルワンダ)

ルワンダ共和国のカガメ大統領と緒方理事長は、5月27日、TICAD IV会場のパシフィコ横浜で会談を行いました。

冒頭、ルワンダを含むアフリカ東部地域の状況についてカガメ大統領は、ケニアなどの例はあるが全体としては安定していると指摘しました。これに対して緒方理事長は、アフリカ自身が地域の安定に努力しており、良い方向に進んでいると述べました。

続いて大統領は、ルワンダに資源はないが過去8年間6〜8%の経済成長を維持しており、また、今回のTICADにも期待していると発言しました。

これに対して緒方理事長は、ルワンダが情報通信技術(ICT)の振興に力を入れており、JICAはトゥンバ高等技術専門学校で人材育成を支援していること、他の多くのアフリカ諸国でもICTのニーズが高まっており、これら高等教育がアフリカの成長にとって重要。今回のTICAD IVでは成長を加速化させることをテーマにしたことが5年前のTICADとは異なる点のひとつと指摘しました。

さらにカガメ大統領から円借款への期待が表明され、緒方理事長は、アフリカでのソフト・ローンの新しい可能性を探っていくためには、アフリカ側の発言が力になること、借款の可能性については政府関係者と話し合っていきたいと述べました。

幹線道路に加えて地方道路整備の重要性をルワンダ外務協力大臣が指摘した点について、緒方理事長は、「人々のインフラ」整備のためには、地域の社会経済セクターと関連させ、コミュニティに根ざしたものとなるよう包括的なものであることが重要と言及しました。

6.世界銀行のゼーリック総裁との会談

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ゼーリック総裁(世界銀行)

5月29日、TICAD IVに出席するために来日した、ロバート・ゼーリック総裁と会談を行いました。ゼーリック総裁との二者会談は、昨年8月に引続き2回目です。

今回の会談では、対アフリカ支援を中心にしながらも、食糧価格高騰や気候変動、平和構築支援などが議題として取り上げられるとともに、昨年8月の会談後のJICAと世界銀行の連携の進展についても確認されました。また、現在、世界が直面し大きな問題となっている食糧価格高騰については、これまでの途上国の開発の成果を損ねる結果につながるとして、緊急対応と中長期的な対応が必要であるという認識でも一致しました。

対アフリカ支援では、TICAD IVへのアフリカ諸国の関心の高さと、日本とアフリカ諸国の良好な意思疎通が、今回の会議を盛況なものとしたという全体の感想が述べられ、アフリカ諸国からはODAに加えて日本からの民間投資促進への期待があることなどが話し合われました。

緒方理事長は、27日にJICA主催で開催した「アフリカ開発とアジアの成長経験」シンポジウムの成果を引用し、日本のアジアでの経験として、ODAによる開発途上国の社会・経済分野の制度整備やインフラ整備などが民間投資を促進したことを例に挙げながらも、アジアの経験をアフリカに一方的に説明するのではなく、アフリカの人が自らの目で見、耳で聞いて、自分たちで必要なことを提案することの重要性について述べました。

また、食糧問題に関連しては、緒方理事長からは、アフリカにおける稲作振興を食糧増産へのJICAの取組みとして紹介するとともに、食糧危機は構造的要因によって引き起こされたものとの認識が示されました。