緒方理事長がパレスチナ自治政府エラカートPLO交渉局長と会談

2008年11月4日

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サーエブ・エラカートPLO交渉局長(左)と緒方貞子理事長(右)

10月23日、来日中のパレスチナ自治政府のサーエブ・エラカートPLO交渉局長をはじめ、ガブリエル・ファフェルPLO交渉局法律顧問、モハマッド・シュタイエPECDAR(パレスチナ開発経済評議会)総裁らが、緒方貞子JICA理事長を訪問しました。

パレスチナにおいて現在JICAは、地方自治体の財政システムの構築などを支援する「地方自治行政改善」プロジェクト、「ジェリコ及びヨルダン渓谷における廃棄物管理・処理能力向上」プロジェクト、「持続的農業技術確立のための普及システム強化プロジェクト」を実施しています。今回の会議はパレスチナの現状を踏まえたうえで、今後重点をおくべき支援について話し合うために設けられたものです。

現在進行中のプロジェクトのほかに今後日本に期待を寄せる支援分野として、まずジェンダーへの取り組みに対する支援があげられました。パレスチナでは特に女性のエンパワーメントが重要と認識されており、その方策として女性の所得向上および雇用機会の増加を目指すことが安定した国作りに必要だという見解で一致しました。

また、パレスチナ国内の約35%の人々が、十分な電気へのアクセスがない状態で生活していることや、上下水道においても西岸の116の村は水不足に悩まされていることなど、インフラストラクチャーの未整備に起因する深刻な生活環境面に関する問題点についてパレスチナ側より報告がありました。電力セクターに関してパレスチナ側は、国独自の発電システムの確立として太陽光発電システムの整備を実現したい旨を述べると、山田中東欧州部長は「日本の経験および知見を伝えるための研修、また、日本の専門家を派遣し調査を実施することから始めることが可能だと考えます」と、支援に前向きな姿勢を伝えました。

シュタイエPECDAR総裁は「私たちにとってのさらなる課題は、パレスチナが主権国家になった際に、開発を進める包括的な総合国家開発計画がないことだと認識しています。JICAには経験があるので、開発計画策定を支援して欲しい」と述べました。その発言を受けて緒方理事長は「中長期的には、あげて頂いた国家開発計画の策定支援のような包括的なお手伝いをすることが理想ですが、水や電力などのインフラ施設の整備や技術協力など、喫緊の課題から協力を始めるのが、最も効果的と考えています」と話しました。

イスラエル・パレスチナ間の和平には「二国家構想」が唯一の解決策であり、共存共栄に向けた中長期的な取り組みが必要とされています。その実現には信頼醸成の推進と第三者の役割が非常に大きく、日本に対してもさらなる期待が寄せられました。