グローバル化時代に求められる日中のパートナーシップとは-緒方理事長、中国を訪問中-

2009年12月4日

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中南海紫光閣で会談する李副首相(右)と緒方理事長

11月29日から中華人民共和国を訪問している緒方貞子JICA理事長は、12月3日、北京の中南海紫光閣で同国李克強副首相と会談しました。緒方理事長と副首相は、省エネ・環境保全分野での協力や、日中の青年層の交流の重要性などについて認識を共有しました。

また翌4日には北京市内の清華大学で、約200人の聴衆を前に「グローバル化時代の日中関係の展望」と題した講演を行いました。

スピーチの中で緒方理事長は、日本政府が国際協力の理念の一つとし、JICAも組織のミッションの一つとしている「人間の安全保障」について言及。2000年代以降のグローバル化の進展に伴って、感染症、気候変動、テロなどさまざまな脅威が生じたため、「国家の安全保障」を越えた安全保障の概念が求められるようになった経緯を説明し、「人間の安全保障」がグローバル化時代と深いかかわりを持つ概念であることを強調しました。

次いで、今年は日中経済協力開始30周年にあたることを踏まえ、緒方理事長は、今回の訪問で視察した瀋陽市の中国医科大学や長春市の中日聯誼(れんぎ)医院などにも触れつつ、JICAが中国で行ってきた協力を振り返りました。そして「日中協力の成果とこれまで築いてきた信頼関係を生かして、双方が知恵を出し合い、グローバル化時代において両国が直面する共通課題の解決に挑戦していくことが大切ではないか。そのためには、政府、企業、大学、NGO、市民など、日中双方のさまざまなパートナーが連携していく必要がある」と語りかけました。

最後に、これまでJICAと環境や法整備などのプロジェクトを共同で行ってきた清華大学とのきずなに触れ、「このパートナーシップを今後も大切にし、グローバル化時代の日中協力を、皆さんと同世代の両国の青年が担っていくことを期待したい」と述べ、スピーチを締めくくりました。

講演では、清華大学の教職員や学生のほか、日本人留学生など、多くの人が聴講に訪れ、緒方理事長のスピーチに熱心に耳を傾けていました。講演後、参加者から、グローバル時代における日中共通課題への対応や、JICAの対中協力の方向性ならびに中国のアフリカ向け支援への見解について質問が出るなど、活発な意見交換が行なわれました。

緒方理事長は5日に北京を発ち、帰国の途につく予定です。