パレスチナ自治政府のアッバース大統領と緒方理事長が会談

2010年2月12日

2月9日、緒方貞子JICA理事長は来日中のパレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領と都内のホテルで会談し、中東和平の現状およびパレスチナ支援について意見交換を行いました。アッバース大統領からは、緒方理事長の永年のパレスチナの人々への貢献に対する感謝の証しとして、アル・クッズ勲章が授与されました。

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アッバース大統領(写真右)と緒方理事長

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パレスチナへの貢献への謝意を込めて勲章が授与された

冒頭、アッバース大統領から、これまでJICAが行ってきたさまざまな分野における継続的な支援に対して謝意が表明されました。緒方理事長は、ヨルダン渓谷における「平和と繁栄の回廊構想」(注)に関連する事業が構想段階から実施段階に移り、具体的な形になりつつあること、それらの事業を通じてパレスチナの発展に引続き貢献していく予定であることを強調。これを受けてアッバース大統領より、ヨルダン渓谷におけるJICA事業の重要性が述べられるとともに、パレスチナ投資基金を通じ、雇用創出、投資促進のために、死海における観光開発、ジェリコ北部における都市開発を行っていく構想も紹介され、今後も協議を行っていくこととなりました。

さらにアッバース大統領は、パレスチナの治安状況および和平プロセスの現状を説明し、停滞するイスラエルとの和平交渉の早期再開およびファタハとハマスの和解についても引き続き取り組んでいく旨の決意を表明しました。緒方理事長は入植地問題の現状に対する懸念を示すとともに、アッバース大統領の努力への支持を伝えました。

また、緒方理事長はパレスチナ難民支援の重要性を指摘し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の新事務局長にフィリッポ・グランデ氏が就任したこと、同氏はパレスチナおよびパレスチナ難民支援に強いコミットメントがあることを述べ、アッバース大統領からも同氏に対する高い期待が示されました。

会談の最後には、アッバース大統領より緒方理事長に対し、これまでのパレスチナと日本の関係強化およびパレスチナの人々に対する多大なる努力と貢献に対しての謝意が再度表明され、その証しとして、アル・クッズ勲章が授与されました。

中東・欧州部

(注)「平和と繁栄の回廊」構想

イスラエル・パレスチナの共存共栄に向けた中長期的取組みとして2006年7月に日本が提唱。同構想はイスラエル・パレスチナ間の和平には「二国家構想」の実現が重要であり、将来的なパレスチナ国家樹立に向けて、近隣国との信頼醸成を図りつつ、パレスチナの経済的自立および産業基盤の強化を目的としている。

JICAは同構想の一環として2007年3月から農産物加工・物流拠点整備に関する調査、「持続的農業技術確立のための普及システム強化プロジェクト」などを実施している。