気候変動対策、東アフリカ情勢について意見交換-ケニアのオディンガ首相が緒方理事長と会談-

2010年3月3日

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オディンガ首相(右)と緒方理事長

2月19日、ケニアのライラ・アモロ・オディンガ首相がJICA本部を訪問、気候変動対策をはじめとする対ケニア支援、ソマリアを含む東部アフリカ地域情勢について緒方貞子JICA理事長と意見を交換しました。

オディンガ首相は、同国が2009年12月に作成した「気候変動対策国家戦略(National Climate Change Response Strategy)」に基づき、再生可能エネルギー利用など、気候変動対策分野の協力への期待を述べました。また、ケニアの開発の最優先課題である経済インフラに対するJICAの長年の支援への謝意を述べ、重ねて「運輸、電力、農業の分野を中心としたインフラ開発への一層の協力を」と、今後の協力への期待を表明しました。

これを受け、緒方理事長は、気候変動によりアフリカが深刻な脅威に直面しているとの認識から、JICAもケニアにおける気候変動対策を積極的に支援していることを伝えました。

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オルカリア地熱発電所。地熱は、石油や石炭に代わるクリーンなエネルギーとして、二酸化炭素削減への効果が期待されている

その一環として、JICAは現在、同国のオルカリア地域(ナイロビから北に約75キロ)の地熱発電事業への円借款供与を予定しています。この事業には、アフリカ初となる気候変動対策円借款(注1)の適用を検討しており、二酸化炭素削減を促進しつつ、ケニアが直面している深刻な電力不足(注2)の解消に貢献する事業として、関係者の注目を集めています。

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東アフリカ地域の安定化についても話し合ったオディンガ首相(左から2人目)と緒方理事長(右手前)

また、オディンガ首相は、2007年末の大統領選挙後の混乱(注3)から今日までを振り返り、現在は連立政府として、憲法改正、警察改革、司法改革、公共サービス改革、土地改革などに取り組んでいることも紹介。さらに、情勢が不安定な隣国のソマリアやスーダンに対するケニア政府としての取り組みについても述べました。緒方理事長はこうした同国の東アフリカ地域の安定化に対する貢献に対し、高い期待を表明しました。 

最後に、オディンガ首相より、経済アドバイザーとして同国首相府に派遣中のJICA専門家、日野博之氏(注4)の活動に対する高い評価が表明され、緒方理事長に、謝意が伝えられました。

アフリカ部

(注1)主に温室効果ガス削減の取り組みに対して供与される円借款。
(注2)水力を主な発電源とするケニアでは、近年、干ばつによる電力不足が深刻化。2009年は、首都ナイロビでも3ヵ月にわたる計画停電が実施された。
(注3)現キバキ大統領とオディンガ首相が争った2007年12月の大統領選挙の結果を巡り暴動が発生。2008年4月、オディンガ氏が新設の首相ポストに就き、キバキ大統領との連立内閣が発足。
(注4)2008年に新設されたケニア首相府で、経済・財政政策に関する助言などを行っている。2009年1月より派遣中。