日本の技術が人を取り巻く環境を守る-パプアニューギニアのソマレ首相と緒方理事長が会談-

2010年4月5日

3月30日、緒方貞子JICA理事長は、パプアニューギニアのマイケル・トーマス・ソマレ首相と都内のホテルで会談し、天然ガス開発に伴い急速に発展する同国の環境保全や、コミュニティ開発の重要性を確認し、今後も引き続き支援を行っていくことを伝えました。

JICAのコミュニティ開発分野への貢献を評価

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ソマレ首相(写真右)と緒方理事長

パプアニューギニアは、木材や水産品などの一次産品や鉱物資源の輸出により、2003年以降、毎年3〜4パーセントの経済成長を見せています。今後、天然ガスの開発が進むことで、さらなる成長が見込まれていますが、一方で、発展に伴い、都市部では地方からの人口の流入や不法居住区の拡大による治安・生活・自然環境の悪化や、都市部と地方の経済格差の拡大といった問題が生じています。

JICAは同国で、貧困層が多い不法居住区などを対象に、住民の生計向上や衛生環境の改善、行政サービスの向上などによる、コミュニティ開発を目的とする技術協力「総合コミュニティ開発プロジェクト」を実施しています。また、パプアニューギニアに対して1980年から開始されたJICAボランティア事業で、これまでに約600人が派遣され、地域に根差した協力を行ってきました(注)。

ソマレ首相は、JICAがこれまで行ってきた社会経済面への協力、特にコミュニティ開発への協力と、ボランティアによる草の根レベルでの活動に対して、謝意を述べました。

日本の環境保全技術に期待

緒方理事長が「急速な社会経済発展の過程では環境への配慮が忘れられがちであり、注意が必要である」と述べると、ソマレ首相は、「日本は特に環境配慮が進んでいる国と認識しており、環境分野へのさらなる協力を期待したい」と語りました。

今年1月に調印された「ポートモレスビー下水道整備事業」は、日本が持つ汚水処理技術を用いて首都ポートモレスビーの沿岸地区の下水道整備を行う協力です。都市部の衛生環境だけでなく、沿岸海域の自然環境の保全につながることが期待されています。

パプアニューギニアは、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)で、他国に先駆けて「途上国における森林減少・劣化に由来する温室効果ガス排出削減」を提案しました。前述の協力に加え、JICAはパプアニューギニアの森林保全への積極的な取り組みを後押しするため、現在、プロジェクト実施に向けた調査団を派遣しています。

東南アジア第一・大洋州部 大洋州課

(注)2010年4月1日現在、青年海外協力隊38人、シニア海外ボランティア11人の計49人が派遣され、その多くが離島を含む地方部で、地域に根付いた活動を展開している。